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王道を走れば:幻想にて
第6章、その1:束の間の癒し ※エロ注意
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 夜の帳が下りて、黄金に照る満月が天に昇っている。薄い雲が静かに、川面の木の葉のように流れている。光を受けていた雲が漆黒の背景に飲まれていく様は心を惹き付けるようであり、どことなく物思いに耽ってしまいそうな感じである。大地を生きる人々は天に手も届かず、ましてや空を飛ぶ事も適わない。その空を飛ぶ雲でさえ光を受けねば、唯の崩れた落葉も同じである。風のままに吹かれて儚く消えていき、嘗て入道雲や積乱雲であった頃の栄華は雨露となり、落ちていくだけなのだ。結局人間であろうとエルフであろうとも、空に手が届いたとて同じ立場に置かれるのではないか。光の届く世界であらねば、ただの朽ちた存在と看做されるのではないか。
 そんな物憂げな哲学は、享楽が支配する世界では通用しないのである。現世利益こそ享楽が求むる最大の幸福であり、最大の押し付けであるのだから。その舞台はクウィス領にある。領主の館がある大農村の一角にある、大き目の宿屋であった。大きめというからには理由がある。この宿屋は領主の客人のみが宿泊できる場所であり、一般の地元民とは大して縁が無い場所である。提供し得る最高の寝具に、最高の食事、そして最高の女性。美女の多いクウィス領土では特に三番目こそが客人らの愉しみとする所であり、今宵そこに宿泊する者達は同様の接待を受けているのであった。社交的で、そして淫靡な歓待を。
 客人らの名前はミシェル、パック、ジョゼである。王都より派遣されてきた彼らは任務の一つ、北嶺監察官への命令書の搬送を終えて、騎士ジョゼの口利きの下、最高の法悦を得んと此処に留まっているのだ。

「ああっ、いいいっ、いぐっ、だめいくっ!!」
「まだだっ、まだいくんじゃなよっ!!」
「無理ですっ、もう駄目っ、駄目駄目駄目ぇぇっ!!」

 ぱんぱんと、肉質のある音が一室に轟く。寝台が揺れて嬌声が轟く。天上に吊るされるランタンが小さく震えて、光が揺れた。寝台で交わる二人の男女と、横で横たわるもう一人の女がそれによって照らされ、影の形を大きく変じさせていた。ルビーのような赤き髪をした女はその妖艶な体躯を大いに震わせ、陰唇を貫く巨根から齎される強烈な絶頂を耐えようとする。騎士であるジョゼは己と同じ色の髪をした女を見下ろし、にたりと嗜虐的な笑みを零して汗を垂らす。そして組み伏せた女の手首をがっしりと押さえつけると、更に激しく男根の抽送を激しくさせた。

「ほらぁっ、出るぞ、出るぞ!!全て受け止めろよぉっ!!!」
「いぐいぐいぐっ!ああああああ、ああああああ!!」

 艶美な震えと共に女は上体を逸らそうとして涙を零し、ジョゼは先までの激動とは一転して静かに抽送を止めると、腰元を痙攣させるように震わせる。汗と体温が重なり合うかのような錯覚に陥り、女は自分の身体の内に流れ込む蹂躙の奔騰を感じる。避妊用の薬草を事
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