第四章、その5の3:青き獣
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せんから」
「分かった。パウリナ、さっさといく・・・何してるんだ、お前」
「ご、御主人っ、助けてっ!こいつ、私の服を噛んでるっ!!」
目を離した隙にこれである。器用にもパウリナの服の部分だけを歯で引っ掛けて、ミカはそれをぐいぐいと引っ張る。噛んでいるのは無論、脚絆である。布が身体に食い込んで要らぬ部分まで肌が露になるのを妨げるため、パウリナは必死にミカの口から服を取ろうとする。
抵抗が激しくなるにつれて、健康な色をして引き締まった肌が段々と露になって来た。元々パウリナの服というのは大胆さに定評があり、下腹部、肘から先、太腿半ばから脛にかけて、更には肩の部分まで開けていた。それが今や腰まで露出しかかっており、異種間キャットファイトの御陰で桃色の下着が見えており、更には半ば可憐な桃尻が見えかかっていた。
慧卓もちらりとそれを見て、あっさりと冷たい言葉を吐く。
「いいぞラプトル、もっとやれ」
「ちょっ、それは無しですよ、ケイタクさん!あっ、やだっ、それも噛んじゃ駄目だって!それ下着ぃ!!」
ラプトルの攻勢は激しくなり、とうとう下着まで噛み付いた。腰に当たる荒い鼻息に気圧されながらパウリナは尻餅を突く。臀部の片方は完全に露出してしまい、割れ目の頂に汗が滲んでいるのが見えた。普段快活な姿を見ているだけにその反動でか、どことなく危うげで倒錯的な一場面となってしまった。このままでは全裸にすらなりかねない。ユミルはどこか名残惜しさを感じながら、その闘争の救済をせんと二人の女性の間に割って入っていく。
闘争の終結に至るまで悲鳴は続きっぱなしであり、屋敷を取り囲む壁越しにも響いていた。
「・・・準備は出来ているか?」
「ああ。数も揃っている。いつでもいけるぞ」
「早まるな。仕掛けるのは奴等が森に入った時だ。それまで自制していろよ?勿論皆もな」
「当たり前だ。奴等を生かして返すなど、俺のプライドが許さないからな」
幾人もの男達が、不穏な空気を醸しながら互いを見て頷く。腰に挿された剣は村内を歩くのに不要の長物であるのだが、男らは気にする様子も無い。怨恨が篭っているかのように鋭い目をしながら、忌々しげに敷地内の騒ぎが静まるのを待っているようであった。
幾分かの格闘の後、漸くミカはパウリナから離れて、慧卓の傍で尻尾を垂らした。そのどこか清清しげな顔付きを、パウリナは正しく涙目で睨みつけていた。脚絆は破けて下着が見え隠れしており、ロープで隠さねば唯の痴女になりかねなかった。
「もうっ、本当にいけない子なんだから!御主人も直ぐに止めて下さいよっ!」
「す、すまん。ついだなーーー」
「ついなんです!?御主人を御主人と仰ぐ可愛い女の子が大変な目に遭っているのに、何なんですかぁっ!」
「いやその・・・」
「なに!?」
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