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とある星の力を使いし者
第37話
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を閉じて天井を見上げて一言だけ言った。
打ち止め(ラストオーダー)からの声はない、彼女は今どんな顔をしているのだろうか、と一方通行(アクセラレータ)は思った所で違和感を感じた。
いつまで経っても打ち止め(ラストオーダー)からの声がない。
次の瞬間、ごとんと鈍い音が聞こえた。
打ち止め(ラストオーダー)が目の前のテーブルに突っ伏している。
眠いとか疲れたとかそういった単純な理由で突っ伏しているのではない事は一目でわかった。
まるで熱病にでもうなされているような感じがした。

「あ、はは、こうなる前に研究者さんとコンタクトを取りたかったんだけど、ってミサカはミサカはくらくらしながら苦笑いしてみたり。
 ミサカは検体番号(シリアルナンバー)は二〇〇〇一、一番最後でね、ってミサカはミサカは説明してみたり。
 ミサカはまだ肉体的に未完成な状態だから、本来なら培養器の中から出ちゃいけない筈だったんだけど、ってミサカはミサカはため息をついてみる。」

それでも彼女は笑っていた。
熱病に浮かされたような大量の汗を噴き出していてもそれでも笑っていた。
それを見た一方通行(アクセラレータ)の顔から感情が欠落していくように表情が失われていく。
彼にあるのは学園都市最強のチカラだがそんなチカラでは誰も守れない。
一方通行(アクセラレータ)は黙って席を立つ。

「あれ、どっか行っちゃうの、ってミサカはミサカは尋ねてみる。
 まだご飯余っているのに。」

「あァ、食欲なくなっちまったわ。」

「そっか・・・ごちそうさまっていうのも言ってみたかった、ってミサカはミサカはため息をついてみる。」

「そォかよ、そりゃ残念だったな。」

その場に打ち止め(ラストオーダー)を残して一方通行(アクセラレータ)は伝票を掴んでレジに向かった。





そして彼は今、研究所の前にいる。
あの時、あの場で彼が出来る事は何もない、だから何もしないで立ち去った。
だから彼はここに来た。
こんな人間が今さらそんな事を願うなど筋違いだと分かっていてもそれでもたった一人の少女を助ける為に。
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