After days
spring
Happy Valentine
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
螢だ。
SAO料理スキル皆無な俺達が何を好んでわざわざこの空間にいるのかというと、
「いや……甘さオンリーはやばい。甘過ぎて味覚が大変なことになる……。そうだ、辛くしてみようか、ユイは辛いの好きだろ?」
「お前は辛いチョコが食いたいのか?娘を大事にしろよ……」
そう、和人と明日奈の娘で俺の妹であるAI、ユイにチョコレートを食べさせてあげようと、むさい野郎2人であれこれ挑戦しているのだ。
余談だが、VRクッキングソフトにも各社ごとに様々な種類がある。簡単なパンを作れるだけのものから各地の郷土料理を作れるもの、はたまた高級レストラン監修の3つ星料理まで。
無論、ソフトはお値段、難易度共に相当に高いが練習次第で自分で美味しいものをただで食べられる(という感じがする)こともあってそれなりに売れているジャンルだ。
しかし、今使っているのは何を隠そう、その3つ星が作れるソフトなのである。数多あるソフトの中でも登録されている材料、料理、器具から何から何まで最多最高。何より美味い。
(念のため再確認しておくが、水城家(現時点で)次男である彼は世間一般には『若様』と言われておかしくないレベルの金持ちである)。
「あれこれ言ってても仕方ない。こうなったら意地でも絶妙なチョコを作ってやる!」
「その意気だ」
ひとしきりふざけて気が紛れたのか、やる気を再燃させると再度、調理台と格闘しはじめる和人であった。
_____________________________________
同時刻、水城家
本来ならば一家の台所を預かる女である水城雪螺が水城家の台所(調理場)に立つ機会は皆無だ。
無論、炊事洗濯が出来ないわけではない。嫁入り修行の成果でそれらは人並みには出来る。
だが、言わずと知れた金持ち、水城家には使用人がそれなりに居る。故に、普段彼女が台所に立つことはない、のだが……
――ボンッ!!
「ふむ……やはり馴れないことをするものでないな」
目の前にある黒い消し炭を鍋からゴリゴリ削り取り、生ゴミとして捨てる。
「しかし、文献(雑誌)で読んだだけではいまいち解りづらいな……」
背後にあるイスに腰掛け、置いてある文献(雑誌)を手に取り、眉間に皺を寄せながら再読する。
この家には昼御飯という概念はない。各自が自由に食べたければ食べるのだ。だから、調理場には使用人の影はない。居るのは雪螺1人だ。
「……何をしておるのだ」
「おや、お義父さん。ご飯ですか?」
「まあ、の。食欲は無いので茶漬けでも、と思ったのでな」
「そうです
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ