序章 記憶喪失の男
[3/4]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ったが、どうやっても不利なのは変わらない。
元々記憶が無い俺にとって剣の使い方なんて分かる訳もない。
剣を落とさないようにするのに精一杯だった。
「ははは、また口ばかりか!!」
「く、くそっ………」
一体どうすれば………
『何だレイジ、もっと魔力を使えよ………せっかくの高ランクの魔力が勿体ない』
「魔力………?」
「隙あり!!」
斧による強打が剣越しから身体全体に響いた。
「ぐぅ………」
「これで………終わりだ!!」
大地に振り下ろした斧により、割れる大地。
そこから出てきた岩の槍に吹っ飛ばされた。
(………終わりか。剣も素人、我の思い過ごしか………)
レオンミシェリが溜め息を吐きながらそう思った。
「ゴドウィン、もう良い。奴を回収し、城に戻るぞ。これ以上ガウルからお前を借りていれば奴も拗ねる」
「いえ閣下、そんな事は………」
「待てよ………」
そう言って俺は立ち上がる。
「何………?」
「貴様、何故立ち上がれる!?」
「これが魔力による身体能力強化か………でも痛いのは痛いなぁ………まあいい、今度は俺からでかいの行かせてもらう!」
そう言って剣の先を相手に向け、構える。
「閣下、お下がり下さい!!」
「何だ!?アイツ、紋章陣も無しに………!!」
「行くぞ!!」
地面を蹴って走り出す。
「なっ!?さっきよりも速い!?」
「でやっ!!」
回転しながら横薙ぎに剣を振るう。
「くっ、中々重い!」
「まだまだ!!」
その後も何度も剣を振るう。しかし斧で完全に受け止められてしまい、決定打には程遠かった。
「そんな剣の腕で!!」
「だったら!!」
そう言って一旦下がり、剣を下に向け………
「魔神剣!!」
下からすくい上げるように斬撃を飛ばした。
「うおっ!?」
いきなり飛ばされた斬撃に対応出来ず、ゴドウィンはもろに受けてしまった。
「ゴドウィン!!」
「閣下、大丈夫です!!」
不意に助けようとしたレオをゴドウィンは止め、立ち上がる。
「これは私の戦いです、手出し無用!」
「………分かった、しかし負けは許さぬぞ!!」
「御意!!」
再び斧を構えるゴドウィン。
しかしさっきよりも集中して俺を見ている。
「小僧………名は?」
「俺の名前か?俺は………」
とそこで会話が止まる………
俺の名前………俺の名前………
「おい………何を唸っている?名前を聞いているだけだぞ?」
「と言われてもな………記憶喪失の俺は名前も分かんないんだよ………ちょうど思い出したのは俺が剣の修行をしていた所と、魔力の事。………と考えると俺の名前はレイジで良いの
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ