序章 記憶喪失の男
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『………分かったよ。ならまた付き合ってもらうよ先輩!!』
『またその抜刀の構えか………さて、どう出るレイジ?』
「レイジ………?それに抜刀………」
そう呟き俺は木の棒を記憶にあった様に抜刀の構えをする。
「フゥフゥ………」
「グルル………」
相手も警戒したままこっちに突っ込んで来る気の様だ。
「来い………」
暫くこの膠着状態が続く。
相手も静かにタイミングを待っていた。
俺も何故か落ち着いていた………
この構えが馴染むと言う訳では無いのだが、何故か落ち着けた。
「「ガアア!!」」
「魔神剣!!」
我慢しきれず向かってきる相手に抜刀の様に振り抜いた木の棒から出る斬撃。
「………ってえっ!?何だこれ!?」
その斬撃は2人にぶつかり、2人とも吹っ飛んだ。
「………あれ?」
起き上がってこない2人に少し拍子抜けになりながらゆっくりと近づく。
すると………
「何だあの黒い霧………」
2人の体から出た黒い霧は、煙みたいにモアモアと空に上がっていく。
そして黒い霧が完全に消え去ると………
ボン!!
「えっ?」
小さい音と共に、異形な形をしていた2人が小さな丸い可愛らしい生き物になった。
「………猫?」
まんじゅうの様な丸い身体に小さい耳と可愛らしい尻尾。
「可愛いなぁ………」
ついナデナデしてしまった。
そんな時………
「この痴れ者が!!!」
いきなり現れた大男が俺に目掛けて斧を振り下ろしてきた。
「な、何だ!?」
かろうじて避けられたが、俺がいた場所には小さなクレーターが出来ていた。
「貴様、我らの民を嬲るなど許せん!!」
「いや、ただ単に可愛かったからナデナデしてただけ………」
「うがあああ!!!」
獣の様な咆哮と共に斧を振り下ろしてくる大男。
その後ろには鎖でつながれた鉄球が。
「くっ!?」
咄嗟に木の棒で受け止めたが、受けきれず吹っ飛ばされた。
「ぐおっ!?………って木の棒が!!」
さっきのを受け止めた時に折れてしまったようだ。
「ちくしょう、何か………何か………」
「これを使え!!」
不意に俺に投げられた剣を………捕ることは出来ず、地面に突き刺さった。
「何をしておる、取らんか」
「無理言うな!!ってかアンタ誰だ!?」
「いいから、ほら来てるぞ」
「はっ!?って!!」
慌てて突き刺さった剣を抜き、横薙ぎに斬り掛かってきた斧を受け止めた。
「ぐっ!?」
「ほう………今度は耐えたか」
「おかげさんでな………今度はそう簡単にいかない!!」
「ふん、面白い、ならば見せてみよ!!」
強がりで言
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