序章 記憶喪失の男
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「………ここは?」
男が気がつくと辺り一帯は森の中だった。
風が木を揺らす音や、鳥の奏でる歌声が響く。
「俺は………一体………」
色々と辺りを調べてみるが、とくに不自然な点は見当たらない。
「俺は………」
頭の中をフル回転させ、自分の事を思い出そうとする。
………だが、
「………思い出せない」
取り敢えず思い出そうとするのを一旦止め、森の中を歩くことにした。
「ふむ」
「どうなされた閣下?」
自国の領内の視察をしていたレオンミシェリ・ガレット・デ・ロワ王女はお供に弟の直属の部下、ゴドウィン・ドリュールは城に戻る途中に付近の村から聞いていた魔物の情報を確かめにその村の近くの森に立ち寄っていた。
「不穏な空気を感じる………何かいるぞ」
「はい………これは魔物ですかな?」
「しかし何故フロニャ力も高いこの地に………」
「分かりません、ですがこれは最近起きている魔物出没事件に関係あるのでは………?」
「分からん………だが、見過ごす訳にはいかん。行くぞゴドウィン」
「御意」
2人は鳥のような乗り物にまたがり、森の中を走っていった。
「さて、どうしたのもか………」
森の中をふらふら歩いていると、どう見ても普通の人じゃない変な人が二人現れた。
「キシャー!!」
「クシャー!!」
「何だこいつら!?」
姿から人に見えたが、よく見ると人とは大いに違っていた。
毛が一本も生えていない体、普通の人よりも長い爪。
「くっ!?」
襲ってきた2人の爪を転びながらも何とか避ける。
「くそっ、何か………」
そう呟きながら辺りを見る。
すると近くに丈夫そうな木の棒が落ちていた。
「よし!!」
何とか木の棒を拾い、構える。
「俺、戦えるのかよ………」
木の棒だが、それを見て、警戒する2人。
しかし、そのお陰で余裕ができた。
(今のうちに何か戦いのヒントになるような事を思い出せ俺!!)
と自分に言い聞かせる。
実際に自分でもそんな都合の良い事など起こるとは思っていなかった。やけくそ気味で目を瞑り、殆ど記憶が残っていない頭をフル活動する。
すると………
(あれ?マジで………?)
頭の中に何かが浮かび上がってきた………
『くそっ………また手も足も出なかった………』
『いや、中々様になってきたじゃないか』
『でも、本当に汚いよ………あんな弾幕の様な攻撃避け切れる訳無いじゃないか………』
『だったらそれをどうすれば良いか悩め。そして自分なりの答えを見つけろ。それがお前の武器になる』
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