第十六話
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に一日を1000刻みにするインターネットタイムを思い出し計算して数字を割り出した。
『こちらに、それはどういう意味ですか?』
自転周期の40/1000ってインターネットタイムかよと思いながらケネスは尋ねる。
『あなた方の船を収容しているのは無人艦なので、現在私は別の艦でそちらに向かっています』
『そうですか……ところでエルシャン。貴方は何の目的で太陽系に来たのですか』
緊張を抑えて核心に触れる。内心では「頼むから征服しに来たとか言わんでくれ」と願っていた。
『全てを話せば長くなりますが、一言でまとめると事故です』
『事故?』
『はい。目的座標の入力ミスです』
『入力ミス?』
ヒューマンエラーも甚だしい。宇宙を自由に航行する技術力を持つに至っても生き物はヒューマンエラーから開放される事は無いのかと思うと、ヒューマンエラーが死に直結する最右翼の職業を選んだ身として悲しくなった。
『はい、緊急時に私が目的座標の指示をきちんと出せる状況に無かったもので……本来の目的地とはかなり離れた場所に飛ばされました』
『では我々を捕らえた理由は?』
『迷惑をかけた事に関しては申し訳なく思いますが、あくまでも保護です』
『保護? 馬鹿な我々は保護される理由が無い』
『本当に申し訳ないのですが、こちらのAIがそちらの船を救命ポッドと誤認したのです』
『きゅ、救命ポッド?』
ショックだった。人類の叡智を技術を全てつぎ込んだ地球のアメリカの自分の誇りである宇宙船ウルスラグナが、この宇宙人にとっては救命ポッド扱いだと知って。
『では後ほど改めて話をしましょう』
エルシャンは、光の無いうつろな瞳をしてぶつぶつと何かを呟き始めるケネスとの会話をさくっと打ち切った。
この時エルシャンは既に【敵性体】との戦争に地球を巻き込む事を考えていた。
何時か必ず戦いに巻き込まれる運命にあるのなら、連盟が連盟軍が戦えるだけの戦力を持っている間に巻き込まれるべきだと思う。
そして、少なくとも地球人のパイロット適正はフルン人を超えると言う確信がエルシャンにはある。
更に彼が田沢真治として死んだ2013年には70億人を超えている人口。16年後の今なら80億に達しているだろう。
これは恐ろしい数字だった。文明の発展はある一定ラインを超えるとその種族の人口減少に繋がる。連盟加盟国家の平均人口は1億人を僅かに割り込む。比較的人口の多いフルント人でも2億人には届かないのである。
対【敵性体】における戦力と考えた場合、地球の持つポテンシャルは計り知れない。
地球人のパイロット適正データを揃えて直接連盟本部に送りつければ、例え地球の文明段階が前星間文明レベルでも首を横に振る余裕は連盟には無い。
それほどフルント星陥落は、この銀河にとって大きな
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