はじまりの街と軍
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しばらく走ると細い路地を塞ぐ灰緑と黒鉄色のプレイヤーの一団がいた。躊躇せずに走り込んだサーシャをみてにやりと笑った
「おっ、保母さんの登場だぜ」
「……子供たちを反してください」
「人聞きの悪いこと言うなって。すぐに返してやるよ、ちょっと社会常識ってもんを教えてやったらな」
「そうそう。市民には納税の義務があるからな」
わははは、と男たちが甲高い笑い声をあげる。
「ギン!ケイン!ミナ!!そこにいるの!?」
「先生!先生……助けて!」
「納税の義務……とか言ったか?」
今まで見守っていたが我慢できなくなったので俺は口を出した
「ん?おうそうだよ。市民の義務だよなぁ」
「じゃあ、その金はちゃんと俺たち市民のために使われてるんだよな?」
「も、もちろん。当たり前だろ?ちゃんと攻略のために使ってるに決まってんだろ」
「ふーん……じゃあ、市民の権利を使わせてもらおうかな……知る権利に基づいてその使用明細の開示をお願いしよう」
相手は対応を考えている。その隙に俺はキリトとアスナに口をあまり動かさず言った
「合図したら跳べ」
「「了解」」
「そ、そうだなぁ……そういうことは本部に……」
「今!」
俺が合図をするとキリトとアスナが地面を蹴って跳躍した。トップクラスの筋力と敏捷力により軽々軍を飛び越えた。軍の連中は俺に意識を集中していたため反応ができなかった
「て……てめぇ……何だお前は!!<<軍>>の任務を妨害すんのか!!」
「弱いやつから搾取するのが<<軍>>の任務か?落ちたものだな」
「てめえ……許さねえ……」
と俺に近い軍のメンバー五人ほどが剣を抜いた。全く使われていない剣の全く重みのない輝き
「お前たちは全く戦闘を経験してないだろ」
「……そんなわけないだろ」
間があったな……
「剣に全く重みがない。足が甘い。……しょうがない。少し稽古をつけてやる」
といいつつ俺は腰から剣を二本抜き出す
「サーシャさん、ちょっと下がっててもらえますか?」
「はっ、はい」
二振りの剣を見て呆然としていたサーシャさんを下がらせる。そして同じく固まっていた軍のメンバーの方に向き直り
「ついてこいよ?」
剣を突き出した。双剣突撃技<<ダブルサーキュラー>>だ。もちろんここは街の中であり犯罪防止コード圏内なのでプレイヤー自身にダメージはない。だがソードスキルによるノックバックとコード発動時のシステムカラーの発光と衝撃は発生する。つまり……
「ぐあっ……やめっ」
二つの剣閃が煌めき一番近くにいた男性プレイヤーに直撃した瞬間、男はしりもちをつき恐怖に顔を引きつらせる
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