はじまりの街と軍
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がな……」
「それはわかってるんだけどね。……それはそうと、何で隠れてるのかな……」
とアスナは入り口で止めていた足を内部にまで進めた
「あの、すみません、人を探してるんですが!」
「……<<軍>>の人じゃ、ないんですか?」
右手のドアがわずかに開き、おそるおそるといった感じで言った
「違いますよ。上の層から来たんです」
やがてドアが開くと黒縁の大きな眼鏡をかけ簡素な濃紺のプレーンドレスを身にまとい小さな短剣を持った女性プレイヤーが姿を現した
「ほんとに……軍の徴税隊じゃないんですね……?」
アスナは微笑むとうなずいて
「ええ、私たちは人を探していて、今日上から来たばかりなんです。軍とは何の関係もないですよ」
「上から!?ってことは本物の剣士なのかよ!?」
甲高い声とともにわらわらと数人の少年少女たちがでてきた
「こら、あんたたち、部屋に隠れてなさいって言ったじゃない」
しかし、誰も従わない
「なんだよ、剣の一本も持ってないじゃん。ねえあんた、上から来たんだろ?武器くらい持ってないのかよ?」
「い、いや、ないことはないけど」
キリトはいきなりの言葉で焦っている。その隙に俺は本題に入るとしよう
「あの……」
……何て呼べばいいのかわからない……。その考えを読み取ったのか女性は口を開いた
「あっ、すみません、名前も言わずに。私はサーシャです」
「俺はリン。こっちのやつがキリト。彼女はアスナだ」
「で、この子が、ユイです」
とアスナが割り込んできた
結果としてユイの親はわからなかった。俺としては当然だと思っていた。アスナはどこかほっとしたような表情をしていた。話題は、サーシャのことに移り、軍のことに移ろうとした。そしてタイミングよくといったら変になるが数人の子供たちが勢いよく入ってきた
「先生!サーシャ先生!大変だ!!」
「こら、お客様に失礼じゃないの!」
「それどころじゃないよ!!ギン兄ィたちが、軍のやつらに捕まっちゃったよ!!」
「場所は!?」
「東五区の道具屋裏の空き地。軍が十人くらいで通路をブロックしてる。コッタだけが逃げられたんだ」
「わかった、すぐ行くわ。……すみませんが……」
俺らのほうに向き直り軽く頭を下げようとした。が俺はそれを止めると
「俺も行く」
「ですが……」
俺はキリトたちに目配せをするとキリトとアスナは大きくうなずいた
「私たちにもお手伝いさせてください。少しでも人数が多いほうがいいはずです」
「ありがとう、お気持ちに甘えさせていただきます。それじゃ、すみませんけど走ります!」
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