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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第二十三話「二人の関係」
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質とその恐ろしさを。そしてリオンがフェイトを救った時のあの力。魔法と晶術のハイブリッドと言うだけでは済まないだろう圧倒的な『ナニカ』。リオンがあれを完成させた時その力がどれ程の物になるのかエレギオには想像もできない。いや。ここはエレギオですら(、、、)と言うべきか。そしてリオンが道を踏み外した時、それがどの様な悲劇を引き起こしてしまうかも。
このままエレギオがリオンの言う事を聞いて、彼にエレギオの持つ知識を与えたとして。それは何か途方も無い物を生み出してしまうような気がした。それ自体は一人の魔道士としては誇れて心躍ることであるとさえ言える。だがそれと同時に取り返しのつかない事態を引き起こしてしまうかも知れないのだ。

(…………っても無駄だろうな)

再びリオンを見る。その顔はもし仮にエレギオが断ってもあらゆる手を使って魔法を知ろうと言う覚悟と決意に満ちていた。そもそもここに来てこのプライドの高い少年が頭を上げていると言う事自体にもそれだけの意味がある。だとしたらここでエレギオが教えてそれと同時に何らかのストッパーでもかけてやるのが一番良いのかも知れない。

「良いぜ。俺でよければ。できる限りの事は教えてやる」

「本当か」

「別にこんな事で嘘は()かねえさ」

それに、とエレギオは思う。

(コイツのフェイトちゃんを思う気持ちは本物だろ。ならあの子がいる限り大丈夫だって信じてやるか)
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