A's編
第二十七話 裏 (はやて)
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、とりあえずは、信じてもらえたようだったが。
さて、話はその後、何事もなかったはやてが一泊の病院から退院したのちになる。自分の部屋で、彼らの話を聞くことになったはやて。
彼らの口から語られる話は、何とも荒唐無稽な話だった。
彼ら曰く、はやての部屋に飾られていた立派な洋書は、闇の書といわれる魔法の本である。その書が起動するために必要な魔力を蒐集するための守護騎士ヴォルケンリッター。それが彼らの正体らしい。そして、八神やはてという少女は、闇の書の主だという。
にわかには信じられない話だ。しかし、はやては彼らの話を信じた。思念通話などを体験しているし、昨日の出来事は確かに魔法でもなければ説明できない。何より、はやては彼らが言うように闇の書の意志というものをうっすらとではあるが、夢の中で感じていた。それらの話を総合するに彼らの話は信じるに値すると思ったのだ。
状況を判断できたところで、次は、彼らの処遇である。彼ら曰く、八神はやては、彼らの主である。どのような理由によるものだったとしても、それは揺るがしようのない事実である。ならば―――臣下の面倒を見るのは主たる役目ではないだろうか。彼女が読んだ山ほどの本の中には、そのように書かれていた。何より、ここで彼らを放り出しても、この場に居座りそうだ。そうであれば、余裕もあることだし、はやてが彼らの面倒を見ることも吝かではなかった。
―――こうして、八神はやては、生まれて初めての家族を得た。
ヴォルケンリッタ―の中で唯一の男であるザフィーラ。彼は、全員が女であることに遠慮して、犬―――本人としてはオオカミとして生活している。しかし、はやての身長より大きな犬というのも何とも説得力に欠けるんじゃないだろうか、と思うのだが、ふわふわの毛が気に入っているため、はやては必要以上に何も言わなかった。
燃えるような赤い髪を三つ編みにした姿が特徴的なはやてと同じぐらいの年頃のように思えるヴィータ。彼女は、最初、何を恥ずかしがっていたのか、はやてに対して少し距離を置いていた。彼女と距離が縮まったのは、ヴィータに呪いウサギという人形―――はやてとしてはヴィータのキモかわいいという感覚がわからない―――を買ってあげた時だろうか。守護騎士という割には妹ができたようだった。
金髪とおっとりとした性格のシャマル。お姉さんという優しい感じがするシャマルだったが、料理の腕前だけは要検討だった。彼女の料理の腕が毎回、失敗するようであれば、料理を作らせないなどの対策がとれるのだが、稀に失敗し、しかも、その原因が不明だというから厄介だ。しかも、彼女自身が料理が好きなのか、キッチンに立ちたがるのだから仕方ない。今では、はやてと一緒に―――あるいは、簡単なものを任せている。
ピンクのポニー
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