第十八話 黒真珠の間(その三)
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」
「フェザーンもオーベルシュタインも一筋縄ではいかない、気を付けろと言っているんだ。負ける事は許されない」
「分かっている」
「いいや、分かっていない」
「……」
断定するような言い方だった。エーリッヒが俺を見詰めている。そして微かに笑みを浮かべた。
「フェザーンはただの拝金主義者じゃない。あれは擬態だ」
「どういうことだ?」
「自分で調べるんだな。……では失礼する」
エーリッヒが背を向けた。護衛の男達二人が威圧するかのように俺の前に立ち塞がる。エーリッヒの姿が男達の中に消えた。
「待て、エーリッヒ。俺と手を組まないか、それを言いに来たんだ」
「断る。どの程度の実力を持っているのかも分からない組織と手は組めない。そして我々は利で動くが卿らは国家のためという理で動く、価値観が違う以上協力は出来ても手は組めない」
声だけが聞こえた。男達は去っていく、俺の前を塞いだ男達も少しずつ後退っていく。やがて海賊達は闇の中に消えて行った。
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