第4章 聖痕
第40話 龍の娘
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再び出会う為の物だと言う伝承が残されています」
……と答えた。
三つと三つ。間に不自然な空白。別れ別れになった二人が再び出会う……。
少し考える。何か記憶に引っ掛かりが有るのですが。
………………。
…………。
……そう、七夕伝説!
成るほど。牽牛を含む河鼓三星と、織姫を含む織女三星を象っていると言う事か。
確かに、古代中国の皇帝の祭服には、左袖に北斗七星。右袖に織女三星を象った意匠が施された祭服も有ったらしいから、北斗七星の反対側に、河鼓三星と、織女三星が象られた七星の宝刀が有ったとしても不思議では有りませんか。
どうも、この世界。単純に西洋風ファンタジー世界だと思っていると、とんでもない落とし穴が待っている可能性が有りますね。
それに、マイナーなクトゥルフ神話に登場する魔獣や妖物の相手をさせられた経験など、今までの俺には有りませんでした。しかし、タバサに召喚されてから二カ月足らずの間には、既に三度も遭遇しています。
それぞれは別箇の事案だけに、今のトコロ、関連性は見えていない。しかし……。
そんな、今考えたトコロで意味のない事を無駄に考え始めて仕舞いそうに成る俺。しかし、その俺を、じっと見つめる少女の視線。
いや、普段は一組しかない蒼き瞳が、今は二組分存在していましたか。
おっと、イカン。折角、この世界の龍種に出会えたのです。あまり、任務以外の事に気を取られて居ては、自らの主の面目を潰す事と成りますか。
そう思い、眦を上げて、分岐点の真ん中のルートを見つめる。
そして、
「ジジちゃんらしき小さな影と、未確認生命体らしき大きな影は、この真ん中のルートを辿った奥に存在していると思います」
……と、かなり真面目な雰囲気でそう告げたのでした。
☆★☆★☆
また感じる。
この坑道内に侵入してから、ずっと、誰か……。いや、何者かの視線を感じ続けているのですが……。
曲がり角の先に。さっき通って来た分岐点から。いや、何もいないはずの暗がりにさえ、何者かの視線を感じている。
但し、敵意は感じない。まるで、俺が為す事を見定めるかのような雰囲気さえ感じるこの視線は……。
もしかすると、この地の土地神が、俺や、アリアを見定める為に意識を飛ばして来ているのかも知れないか。西洋風に表現すると、守護天使や坑道や都市を護る精霊が。
もし、そうだとするなら、先ほど、アリアの前で土地神を呼び出さなかった事が吉と出るか、凶と出るか微妙な線なのですが……。
もっとも、今更、そんな事を言っても無意味なのですが。
何故ならば、次の角を曲がった先。そこに、子供のような体格の生命体と、更に人間よりは大
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