第4章 聖痕
第39話 UMA登場?
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世界を生きて行くだけの知恵と教養が無ければ、再び、何処か他所で奴隷の身分と成っているのがオチです。
先ずは、奴隷を使用している貴族や商人たちに、嫌がる、反抗的な人間を鞭打ち、無理矢理、劣悪な環境で働かせるよりも、少し賃金を余計に払って、それなりにやる気の有る連中を雇用した方が、儲けが大きい事を報せる必要が有ります。
そして次に、その奴隷。いや、それ以外の平民と呼ばれている、この世界を構成する大部分の人間たちにも、それなりの教養を身に付けさせる事も重要と成ります。
但し、これを行うには、大きな問題がひとつ。
その教養を身に付けた平民たちが、徒党を組み、貴族打倒を叫んで、革命を起こす可能性が有ると言う事。
つまり、地球世界に於ける、市民革命の時代が訪れる可能性が出て来ると言う事です。
そして、おそらく、今の貴族達は、そう成る事を恐れています。
更に、それが如実に現れている点も有りますから。
その理由は、騎士階級が存在しているのに、常備軍は存在していない点。
これは、常備軍を編成して、平民主体の雑兵たちに、平時から武器を渡す事を恐れた結果なのでしょう。
いくら魔法使いとは言え、百人、千人単位の武器を持った人間を相手に出来る存在は稀ですから。
故に、平民主体の常備軍を編成する事もなく、更に、平民には学を付けさせる事はない状況を作り上げている。
強力な軍隊を作るには、兵士一人一人に対して、ある一定以上の知識が必要とされますから。
そして、その事が判っている貴族階級に取って、タバサの思想は非常に危険な思想と映るはずです。
もし、タバサが、貴族としての未来を捨てて、在野でのんびりとした生活を望む場合……。
中国の魏の時代の竹林の七賢。ケイコウのような最期を迎える可能性も有ります。
体制内に有る新しい思想や危険な思想は、単なる変わり者的な扱いを受けるだけで終わる事の方が多いのですが、体制の外に存在する異端者に対する弾圧は、過酷な物に成る事の方が歴史的に多いですから。
もっとも、タバサが自らの考えを人々に示して賛同を得る、などと言う生き方を行う可能性は低いのですか。
彼女の性格や、今、選んでいる生き方。将来の夢などから考えると、わざわざ火中の栗を拾うようなマネを為すとも思えませんし、拾った後に続ける事を強要される、熱せられた鉄板の上で踊り続ける人形のような生活が想像出来ない訳でもないでしょうから。
おっと、妙な方向に思考がずれて行く。悪いクセですね。これは素直に反省ですか。
それでは、何故、俺とタバサが、こんなガリア東方の地方都市にやって来ているのかの説明を少し。
もっとも、何時もの如く伝書フクロウに呼び出されて、翌日、ガリアの王都リュティス
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