第4章 聖痕
第39話 UMA登場?
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ュティスらしいですからね。
尚、どれぐらいの安定度かと言うと、スリに出会ったのは一度だけです。更に、上空から汚物が降って来た事は幸いにして一度もなし。それに市が立つと言っても、公開処刑のような陰惨なイベントもなし。
少なくとも、育ちの良さそうなタバサや俺が街を歩いていて、暗がりに問答無用で引っ張り込まれない程度には安全な街と言う事です。
そう。いくら貴族の証のマントを纏っているからと言って、……いや、マントを纏っているからこそ狙われる確率が跳ね上がる可能性も有ります。
このハルケギニア世界の魔法使いは、杖を奪われ、口を塞がれてルーンを唱える事を出来なくされたら、一般人と大差が無くなる存在と成りますから。
そして、当然、狙う方もその事実を知って居るはずです。
「それにしても……」
俺は、人で賑わう大通りをさっと見渡しながら、少し雰囲気を変えて、そう呟く。
そう。俺の視界のあちこちに存在する、足首や、手首に鉄製の拘束具を嵌めた人々を見つめながら。
俺の視線を追い、そして、俺の意図した事を理解してくれたのでしょう。
【この街が発展して来た理由は、この街の産業。岩塩採掘用の鉱山が存在する事】
そう、タバサが補足説明をしてくれました。
但し、それだけでは、手や足に拘束用の鎖を施された人々が大量に存在している説明には成りはしません。
この街では、大体、週末ごとに市が立ちます。そして、それは、基本的には、この街が産出する岩塩を扱う為の市なのですが、それ以外にも扱う重要な商品が有ります。
それは、奴隷。岩塩を掘り出す為に集められた奴隷を売り買いする為に発展した街。それが、このベレイトと言う街の、もうひとつの側面。暗い部分に相当する側面です。
そう。このハルケギニア世界には、地球世界のヨーロッパがそうで有ったように、奴隷制度が存在して居ます。基本的には農奴制なのですが。
そして、鉱山労働などは、すべて、商人に因って売り買いされた奴隷に因って為されているらしいのです。
その、ロマ系と思しき奴隷たちを見つめるタバサから、やや否定的な気が発生している。
これは……。彼女は、元々、そう言う思想を持っていたのか、それとも、日本式の書物から新たに知識を得たのかは定かでは有りませんが、中世ヨーロッパの貴族には相応しくない、リベラルな思想を持っている雰囲気が有ります。これはおそらく、啓蒙思想と言うべき物だと思いますね。
但し、この時代では、非常に危険な思想と成る可能性も有るのですが。
何故ならば、単純に、奴隷制の廃止を訴えたトコロで、その効果を証明出来なければ、意味は有りません。
まして、奴隷を解放したとしても、その奴隷たちにそれなりの教養が有って、
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