第4章 聖痕
第39話 UMA登場?
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オルレアン家の再興、もしくは、新たな貴族の家を興す心算が有るように、俺は思うんやけど、タバサはどう思う?】
それも、おそらくタバサを、シャルロット姫に戻した上で。
元々、オルレアン家を潰したのは、現王家派に対する口実。そして、オルレアン派に対する見せしめ的な意味。
しかし、それも暗殺されたオルレアン公シャルル一人に罪を着せて、残った家族には実質御咎めなしと言う、かなり甘い処置に止めたのは、オルレアン公が何者かに操られただけだと言う確信が有ったが故の行為。
ならば、この混乱期を乗り切った後に、タバサを長とした家を興し、同時にオルレアン公シャルルの名誉を回復させる可能性は大いに有ると思います。
俺の問いに、肯定を示す【念話】を返して来るタバサ。
【それならば、どうする。このまま進めば、タバサは間違いなく貴族としての生活を取り戻す。おそらく、父親の名誉も回復される。そして、タバサの母親の病は、俺が間違いなく回復させる。しかし、それでは、タバサの夢は、もう叶う事はなくなる】
タバサの夢。ある意味、彼女にはもっとも相応しい夢。晴耕雨読のような生活で、その生活を夢見ていたが故の使い魔召喚。
但し、貴族としての生活では、それは許されない。
貴族には、その権利に相応しい義務が発生する。俺はそう思います。そして、その権利を享受し、義務を放棄した時に、その人間は道を失う。道に外れた存在。つまり、外道と化す。
俺が付いている限り、タバサをそんな存在にする訳には行かない。
まして、常に貴族で在ろうとしているルイズや、呼吸をするように貴族であるキュルケとは違い、タバサは本来貴族には向いていない。
人付き合いは苦手。交渉事も得意としている訳ではない。使い魔の俺に対する態度から考えても、本来は優しい女の子で有る事は間違いない。
そんな娘が生き馬の目を抜く貴族社会で、傷付いて行く様を、俺は正直に言うと見たくはない。
【父の名誉が回復されるのは嬉しい】
先ずは、素直なひと言。そして、これは、当然の言葉。
【しかし、わたしには、貴族に戻る気持ちはない】
予想通りの答えを返すタバサ。それに、その方が彼女には相応しいでしょう。確かに、見た目や、そして、その頭の良さなどからガリアの有力な貴族としても十二分にやって行けると思いますが、果たしてそれが、彼女の幸せに繋がるか、と言うと疑問符が付きますから。
しかし、それならば……。
そう思い、次の【言葉を紡ごうと】する俺を、よく晴れた冬の氷空に等しい瞳で見つめるだけで制するタバサ。
そして、
【未だ、全てが解決した訳では無い】
……と、告げて来た。普段通りの彼女に相応しい平坦な、抑揚の少ない話
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