第4章 聖痕
第39話 UMA登場?
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と、どうやら、病は気から、と言う状況のようにも聞こえるのですけど。
そして、その脇に置かれた本の上に、さして高級そうには見えないのですが、それでもルイズのような可愛いタイプの少女には良く似合いそうなシンプルなデザインの、銀製と思しき十字架を象った首飾りが置かれていた。
これは、普段、彼女の首を飾っている首飾りですか。
もっとも、この世界には、十字架に掲げられた救世主から始まる宗教は有りませんから、単なる意匠としての十字の形だとは思いますけどね。
十字とは、普通、光を象徴する意匠だったと思います。
「体調が悪いと聞いていたけど、起きていても大丈夫なんか?」
久しぶりに見たピンクの少女に、最初にそうやって声を掛ける俺。
それに、取り敢えずは、最初に御見舞いの言葉を掛けるべきでしょう。まして、こんな場面で、タバサが一言以上の御言葉を発するとも思えませんしね。
ルイズが、普段の彼女。少々、気の強そうな雰囲気とは少し違う、物憂げな表情を浮かべ、俺やタバサ、そして、もちろん、モンモランシーなどではない、在らぬ虚空を見つめる。
その後……、彼女に相応しくない、ほんの少しの微笑みを浮かべた。
それは、……そう、答えに窮して、無理に浮かべる類の微笑みと言う種類の微笑み。
……この娘も自らの、貴族としての仮面を外して、素に戻っているみたいに感じますね。
俺は、少しルイズから視線を外して、モンモランシーの方を見つめる。
モンモランシーが、俺の視線に気付き、少しだけ首を横に振った。
そう。ルイズが発しているのは……多分、寂寥感。理由は、おそらくこの場に居なければならない人物が居ないから。
始まりは些細な行き違い。次に口論の末、この部屋を追い出された才人。そして、現在、その伝説の使い魔は、自らの主の伝説の魔法使いを放り出して、キュルケ、ギーシュ、シエスタ他一名と共に宝探しの真っ最中らしい。
う〜む。基本的に、俺と才人は、矢張り性格やその他が違い過ぎるみたいですね。前回のアルビオン行きの時にもそう感じましたが。
いや、もしかすると、龍種と言う種族が、契約に縛られ易い種族なのかも知れませんが。
ただ、俺の考えからすると、いくらルイズの部屋から追い出されたからと言っても、自ら交わした約束を放り出して、友人達と宝探しを行うと言うのは少し問題が有ると思うのですが。
まして、才人の身分は、学院生徒に準じると言う形で保障されて居ます。コルベール先生に相談すれば空き部屋のひとつぐらいなら用意して貰えるはずですし、食事に関しても大丈夫。それに、仕事も魔法学院の警備兵の扱いでの雇用は確保されるはずです。
この部屋を追い出されたからと言っても、たちまち、才人自身が露頭に迷う事はない
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