第4章 聖痕
第39話 UMA登場?
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それに、当然のように主食と成るべきジャガイモやトウモロコシも、この店の料理のバリエーションには入っていないみたいです。
俺の問い掛けに、無言でコクリと首肯くタバサ。その彼女の目の前に並べられた料理は、俺と同じ若鶏のグリルと鳥と野菜の煮込みスープ。それに、たっぷりのチーズを使ったオムレツと、野菜とキノコと豚肉の炒め物。
そして、何故か、俺もタバサもマイお箸持参です。
慣れて仕舞えば、お箸の方が使い易いですし、庶民にまでテーブルマナーが浸透していない、この中世ヨーロッパに類する世界では、マイお箸持参は当然の事ですから。
実際、地球世界では、毒を盛る女がフランスに嫁いで来るまで、フランス王室でも食事は手づかみで食べていたのですが、この世界でもその辺りに関しては、そう変わりませんでしたからね。
【相手は異常に用心深い魔物】
普段通りの用件のみの返答を行うタバサ。尚、彼女にはやや相応しくない、少し不器用な雰囲気のお箸の使い方に、思わず、自らの前に置かれた料理を彼女の口に運びそうに成るのを、意志の力で抑え込む俺。
もっとも、何か、余計な事に精神力を浪費しているような気もしますが。
おっと。任務に関係のない事は、今は無視をして。
それで、タバサの答えから推測すると、相手の魔物と言うのは、かなり用心深い性質の魔物のような雰囲気が有りますね。
少なくとも、坑道内に未確認の生命体が居る事は確実。坑道内でいきなり、その魔物に出くわした人間の数は、ひとりやふたりではないはずです。
しかし、それでも尚、相手の正体も不明。巨大な身体と、不気味な雰囲気以外の特徴も判っていない。
まして、その魔物が為した事と言えば、いきなり出会った坑夫が驚いて逃げようとした際に、転んでケガをした事ぐらい。
【体高は二メイル以上。姿形は人間に近い】
更にタバサが説明を続ける。
成るほど。しかし、単独で行動するオーク鬼は考えられない。オーガに関してなら、単独行動は有り得るのですが。
「それに、ミノタウロスの角もない」
淡々と、彼女に相応しい声及び表情で、俺にそう伝えて来るタバサ。そして、この雑音に溢れ、人々の笑い、語り合う声にかき消されるはずの彼女の声も、何故か、俺の耳にはしっかりと届いていた。
まるで、彼女の声だけが重要な存在で有り、他の雑音をすべてカット出来るかのような明瞭な音声として。
それに、ミノタウロスならば、あの目立つ角を見落とす訳は有りませんか。
まして、ミノタウロスならば、単独で行動している人間と出会い頭に接触した場合に、人間の方が簡単に逃げ切れる訳は有りません。
もっとも、それならば、人間に危害を加える事のない未確認生物の可
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