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くらいくらい電子の森に・・・
第七章 (2)
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のは、よく考えるとおかしい。

確か、僕のMOGMOGには、あの18禁ソフトがインストール出来なかった。

…いやちがう根に持ってたわけじゃないんだ。ただ単に一つの疑問点として、心の中にずっと根付いていたわけで…とにかく、そういう訳で、僕はMOGMOGとMOGMOGαの関係に疑問を持っていた。だから改めて話されても、予想の範囲内だった。
「なんかそれ…ひどい」
柚木ががばっと顔を上げた。瞳にうっすら涙が浮かんでいる。紺野さんが、疲れたような苦笑を浮かべて視線を下げた。…無理もない。偶然、本物のMOGMOGを手に入れた僕と違って、柚木はお金を払ってニセモノを手にしたんだから。そして彼女の反応は、全てのMOGMOGユーザーを代表するものに違いない……
「その、伊佐木って課長!!」

……え?

紺野さんも、思わず組んでいた両手を解いて顔を上げた。
「何が『年末商戦は無視できないところです』よ!MOGMOGの納期早めたのは、そいつなんでしょ!?みんなに無茶させて、自分はそ知らぬ振りして、我慢できなくなって爆発したら『おおヨシヨシ』って宥め役に回って自分だけイイひと気取り!?」
「ゆ、柚木ちゃん…」
「いやそんな…憶測だけで決めつけるのはどうかと…」
「憶測で充分だよ!!」
ぴしゃりと言い放たれて、僕は口ごもってしまった。
「年末商戦なんて、会社側の都合でしょ。それに間に合わせるために半端なものを売りに出すなんて、誠意のある人がすることじゃないよ!」
「そ、そりゃそうだけど、一方の話だけじゃ分からないことだって…」
「へ理屈は聞きたくないっ!!」
突然横っ面に衝撃が走った。ビンタ一閃、僕は右側に詰まれた雑誌の山に頭から突っ込んだ。全体的に薄く積もった埃がバフンと舞い上がり、思わずむせ返る。
「……すげぇ……」
紺野さんが呆然として、頭上で呟いた。見事に状況についていけていない。僕も、頬が痛い事以外は何一つ把握できてない。
「ぼ、僕、何かした…?」
埃の海から起き上がって最初に口にしたのは、そんな情けない一言だった。柚木は僕を殴った瞬間、何か胸につかえていたもやもやが『スカッ』と晴れたらしく、ぽかんとした顔で僕を見下ろしていた。
「えと…そ、そうだよ!あんたの言葉には、実感がこもってない!!べ、べつに一瞬課長と混同したわけじゃないんだから!」
「…語るに落ちたよこのひと…」
僕は殴られた瞬間の表情のまま、紺野さんに首を振り向けた。…これ、僕怒っていいところですよね?無言の問いかけに、紺野さんはフイと視線を逸らして回答を拒否した。俺は関係ありません、と。一応、怒るべき相手にお伺いを立てることにする。
「…ねぇ、これヒドいよね。自分でもそう思わない?」
「そういう所がイヤなの!もうこの話はおしまい!…じゃ、紺野さん
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