第36話
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た。
「鏡」が曇ってしまっては「金星」の光を反射する事が出来ない。
そして気づいた時には「海原」の目の前まで麻生が接近していた。
麻生は左手を握りしめてそこ拳が「海原」の顔面に突き刺さり、殴り飛ばされた海原の手から黒曜石がすっぽ抜けた。
麻生の拳の衝撃で殴られた「海原」の顔の表面が粉々に砕け散った。
その魔術師の顔は海原よりも幼く見え、肌も浅黒くかった。
「さて、どうして「海原光貴」に変装したのか教えて貰おうか。」
「どうやらあなたはまだ自分がどれほど危険な存在か分かっていないようですね。」
「なに?」
「あなたはあの上条当麻という私達、魔術師にとってはまさにジョーカーのような存在を仲間にしている。
それにその近くにいる「禁書目録」、イギリス清教の魔術師、常盤台の超能力者、吸血鬼に対する切り札など多種多様な人材を仲間に引き入れているらしいじゃないですか。」
魔術師の答えに麻生は何も答えない。
魔術師は自嘲するように答える。
「あなたの周りでは魔術世界の科学世界の両方に精通している人物が揃っています。
それはもはや一つの勢力と考えてもいい。
だから自分が送り込まれた。
あなたの勢力を観察してパワーバランスに影響のない存在だと分かれば問題ナシと報告するだけで済む話でした。
しかし、あなたはこの夏休みだけでいくつかの「組織」を壊滅したという情報を聞きました。
なにより自分が危険だと思ったのはその勢力ではなくあなた自身だ!!
あなた自身は金や圧力で操作・制御・交渉できるような類ではない。
さらに自分の魔術を看破しそれに対する迅速な対処、自分を偽物だと見破った知力、何よりあなたの強大な能力。
これだけ強大な力をもった人物を「上」の連中が危険視しないと思いますか!?
できうる限りあなたは最後に回したかったのですが、致し方ありません。
今度はあなたの「顔」をいただくとしましょうか、ね!!」
魔術師は地面に落ちていた黒曜石の刃物に飛びつく。
麻生ならそれを防ぐ事は出来たがあえてしなかった。
「鏡面」についた汚れを拭うと路地に倒れ込んだまま身体をひねるように「槍」を振う。
しかし、無理な体勢で放たれた「槍」は見当違いの方向へ飛んでしまう。
魔術師は舌打ちをして立ち上がり黒曜石のナイフを構え直そうとするが、麻生が一瞬で魔術師との距離を縮める。
「なっ!?」
海原はさっきほどとは段違いの速さで接近されたことに驚いている。
麻生は左手で黒曜石を殴り、粉々に砕き、右手で魔術師の顔面を掴みそのまま地面に叩きつける。
強い衝撃が魔術師の全身に走るがそれでも魔術師は気絶しなかった。
「残念だ、お前が美琴の事を話している時のあの覚悟も
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