第51話 対決、大蟻超獣
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底、こちらには打つ手がないのだ。
「どないしたんや? そんな暗い顔して…」
すると丁度其処へ看病を終えて戻ってきたはやてが部屋の空気を察し皆に話しかける。皆はどんな顔をしたら良いか迷いだす。はやてに真相を話して逆に不安にさせても仕方のない事でもある。
「な、何でもありません」
しどろもどろにそう言い切る。若干後ろめたい気持ちもあるが仕方ない。
「そっかぁ? 何か悩みがあるんやったら何でも言ってやぁ。相談に乗ってあげるからなぁ」
「承知致しました」
そう言ってはやては台所へと向っていった。恐らく食事の準備に取り掛かったのだろう。だが、今のメンバーのほぼ全員が食べる気など起きなかった。今にも地底からそいつが出てくるのではと思うと気が気でないのだ。
「さっきの話聞いたよ。とんでもないのが現れたみたいだね」
「って、光太郎さん聞こえてたのかよ!」
「僕の聴覚は人間よりも数段優れてるんだ。この家の中の会話なら何でも聞けるよ」
正しく地獄耳であった。そうして、会話に光太郎も混ぜて行う事となった。三人寄れば文殊の知恵とは良く言うが、三人ではなく6人揃っても良い案は浮かばずであった。
「こうなれば…奴を誘き出すしかないな」
突如、シグナムがそう呟く。
「誘き出すって…まさかっ!」
「そうだ、高町を囮にして奴を引きずり出す。地上に出てしまえばこちらの物だ。その方が手っ取り早く片付けられる」
名案の様に淡々と言い切るシグナム。だが、その直後彼女の胸倉を甲児が掴んだ。
「てめぇ、本気で言ってるのかっ! それじゃなのははどうなる? あいつを見殺しにする気かよ?」
「これ以上犠牲を出さない為だ! 主を危険な目に合わせる訳にはいかない」
「はやてが無事なら他はどうなっても良いって言うのか?」
怒号を張り上げる甲児の手を払い除けてシグナムは凛とした目で甲児を睨んだ。
「当然だ。我等は主はやての守護騎士。最悪の事態の時、我等は主の御身を優先する」
「てめぇ…」
「止せ! 落ち着くんだ甲児君」
「シグナム。貴方も言い過ぎよ!」
今にも殴りかかろうとした甲児を光太郎が止めて、シグナムをシャマルが叱る。それにはシグナムも半ば反省の色を見せた。だが、甲児の憤りは止まらない。
「俺は絶対認めない! あいつを囮に使うなんて絶対に反対だ!」
「ならば他に方法があるのか?」
「そ、それは…それはこれから考えるんだよ」
「そうしている間にも犠牲者は増える一方なんだぞ! お前はそれでも良いと言うのか?」
「ぐっ…」
甲児は苦虫を噛み潰す思いであった。どうする事も出来ないのか。シグナムの言う通りなのはを囮にして敵を誘き出す以外に方法はないのだろうか。
「
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