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スーパーヒーロー戦記
第51話 対決、大蟻超獣
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かと心配でさ」
「なるほどな…お前は良き兄貴分なのだな」
「俺にとっちゃあいつは妹みたいなもんだしな。兄貴としてみていてやりたいって気持ちはあるさ」

 言い終える甲児は再び図面に目を落とす。そんな中、守護騎士のメンバーは皆複雑な面持ちをしていた。改めて知った事実。一人の少女が強大な恐怖と言う壁に孤独に戦いを挑んでいると言う事実に。その恐怖の壁は余りにも大きく、また高い壁であった。





     ***




 二階のベットの上でなのはは寝かされていた。今はすっかり顔色も落ち着き微かに寝息を立てている。そんななのはをはやてと光太郎は見ていた。

「なぁ、光太郎兄ちゃん。なのはちゃん一体何があったん?」
「ちょっと無理したみたいなんだ。シャマルさんの話だとすぐに良くなるって言ってるよ」
「ホンマにか?」

 はやてが心配そうに見つめる。その目は何処か悲しげであった。

「そんなに心配かい?」
「なのはちゃんな、半年前に私の事助けてくれたんよ。でも、そのせいでなのはちゃんは大怪我してずっと辛いリハビリをしとった」

 はやての脳裏に蘇る海鳴病院での生活。その中で、なのはは必死にリハビリを行っていた。怪我で思うように動けない中必死になって行っていたのだ。
 それがどんなに辛い事かはやては知っていた。それでも、なのはは弱音一つ吐かずに必死に打ち込んでいたのだ。
 だが、夜になるとなのはは一人辛さに耐え切れず静かに涙を流していた。それらをはやては知っていたのだ。
 だからこそ、なのはを放ってはおけない。それがはやての考えなのだ。

「まだ私なのはちゃんに何もお返し出来てへんもん。つくづくこの動かない両足が憎らしいわ」

 そう言ってはやては不自由な両足に手を添えて愚痴る。心の底から悔しかったのだ。なのはの力になりたい。だが、自分には魔力もなければ戦える力もない。結局未だになのはに守られてばかりなのだ。
 その事実がはやてにはとても悔しかった。

(はやてちゃん、辛いんだね。君も…)

 そんなはやてに光太郎は何も言ってやれなかった。変に励ませば返ってはやてを傷つける事となってしまうからだ。複雑な思いが何重にも絡まり、何時しか部屋の空気事態が重くなっているのに気づくのに、二人はそれなりの時間を有する結果となってしまった。




     ***





 時刻は正午、此処海鳴市某所にある遊園地では仲の良いカップル達がその日のデートを楽しんでいた。当然、中にはカップルじゃない人も居るのだがまぁその辺は触れないで置く。
 それは、遊園地内にあるティーカップで起こった。其処で楽しそうにティーカップに乗って微笑んでいるカップル。
 だが、その突如ティーカップに乗って
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