第35話
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「アイツはお前の思ってる奴じゃない。
自分が傷つくのを分かっていてお前を好きだと言っている。
そんな奴のどこをお前は毛嫌いしているんだ?」
「・・・・・・」
美琴はものすごく何か言いたそうな顔で麻生の事を睨んでいた。
「アンタは・・・・そうよね、何でもないわ。」
何でもないように笑っていたがその顔は寂しそうな顔をしていた。
美琴は少しだけ自分が特別な存在だと思っていた。
その少年との距離も周りに比べて少しだけ縮まっているような、そんな風に思っていた。
けど、違った。
例え少年は千人の名簿がありそれを流し読みした時に「御坂」という名前を見つけても、それを気にも止めずに流すだろう。
たったそれだけの事なのに美琴の心は大きく揺らぐ。
この場から逃げ出したいのにこの少年の元からは背を向けて立ち去りたくない、そう思ってしまっていた。
そう思う原因も分からないまま。
麻生と美琴は裏路地から表通りへ歩きながら今後の事について話し合う事にした。
今後というのは海原についてだ。
「アンタはどうしたら良いと思う?」
「もう「恋人役」をすることも出来ないから素直に断ったらいいんじゃないのか?
あいつは断っても逆切れする奴じゃあなさそうだし。」
「それはそうなんだけど、最近人が変わったみたいに積極的になってきたから怖い部分もあんのよね。」
麻生は何かあればいつも俺に電撃をぶつけるみたいにすればいい話だろ、と思ったがそれを口にすると確実に話が脱線するのでやめておく。
「それにしてアンタ、やけにアイツの方持つわね。
なんかあったの?」
「俺が面倒くさいと思っていた宿題をやってもらってな。
それの借りを返すなんて言葉は大げさだがまぁ援護くらいはしてやろうかなと。」
麻生はそう言ったが、美琴は古文のプリントの束を麻生から借りて海原に教えて貰った答えを見ていると、徐々に不審そうな顔になっていく。
「確かに合っているけどおかしいわね。
アイツ、頭はそれほど良くないと思ってたのよ。」
「どうしてだ?」
「アイツの成績は主席クラスなんだけどそれは全部あいつの能力のおかげなのよ。
大能力の念動力。
この能力を使っていわばカンニングのような事をして点数を取っていたみたい。
だからアイツの成績に頭の良さは関係ないって訳。」
「自分の能力がどこまで上がっているのか確かめる為にカンニングをしただけで、実際は頭がいいとかそういったモンじゃないのか?」
麻生はそう言ったが美琴はまだ何か納得していないようだった。
ぶらぶらと歩いているともうすぐ十二時なる時間だった。
さすがに急がないと愛穂に怒
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