第35話
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リントに答えを書き始める。
髪からトリートメントの淡く甘い匂いがしたが麻生はその程度ではドキドキ、と胸が高鳴る訳がなく逆に美琴が寄りかかっているのを少し邪魔感じに思っている。
「これ本当にただの復習でしかないのね。」
「気がすんだら少し離れてくれないか?」
「へ?」
ようやく自分の体勢に気づいたのか顔を真っ赤にしてすぐに麻生から離れていく。
「ちょ、な、ななななんでそんなに・・・・」
「言っておくが俺からではなく自分から近づいてきたんだぞ。」
その言葉を聞いてますます顔を真っ赤にする。
すると勢いよく立ち上がる。
「ちょっと飲み物を買ってくる!!!」
そう言ってダッシュでその場から離されていく。
麻生は頭をかきながら何一人で慌てているんだ?、と思いながら再びプリントの束に視線を落とす。
と、そんな麻生の目の前を小型犬が走り抜ける。
麻生はチラっとだけ犬を見て飼い主の手から逃げたのだろうと考えて再びプリントに視線を落とす。
プリントの問題を見ている麻生の前を誰かが走り抜ける。
麻生はどうせ飼い主だろ、と考えてゆっくりであるが問題を解いていく。
すると、その後に別の足音が聞こえて誰かが二言三言と話し声が聞こえるが、麻生はそんな事に興味はないので無視する。
と、足音がゆっくりであるがどんどん麻生の方に近づいてくる。
「初めまして、あなたは御坂さんとご一緒していた人ですよね?」
うん?、と麻生は声の方に視線を向ける。
そこには先ほど常盤台中学の前で見かけた男の顔、海原光貴がさわやかな笑顔を浮かべて立っていた。
「あなたの事は何と呼べばいいのですか?」
「麻生恭介。」
「自分は海原光貴と申します。
あなたに聞きたい事があるのですが、あなたは御坂さんのお友達なんですか?」
「さぁな、どうしてそんな事を聞くんだ?」
「自分の好きな人の側にいる男性となれば当然だと思いますが。」
ふ〜ん、と美琴との適当な返事ではなく少し興味が湧いてきたの意味がこもった返事だった。
さてどうする?、と麻生は考える。
(今は美琴の恋人役を演じているつもりだが、それをどうするかはこいつと話をしてから決めるか。)
「だからね、御坂さんはもっと人に対して「好き」と「嫌い」をはっきり言うべきだと思うんですよ。
あ、そこの問題の答えはBです。」
「俺が思うにあいつは素直な性格だと思うぞ。」
「その「素直」にした所で、照れや演技が入っていると自分は思いますけどね。
そこの問題の答えはCです。」
「いや、あいつはそんな器用な事は出来ない女だよ。」
「御坂さんの事をよく分かっているのですね。
そこは@です。」
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