第48話 守護騎士
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目に合わせたくないのだ。
総一郎が死に、両親も他界し、信彦も連れ去られた。今の光太郎にとって肉親と呼べる存在ははやてしか居ない。そして、彼女にとってもまた光太郎がたった一人の肉親同然でもあった。
「ほい、お仕舞い! あんまりムチャしたらあかんよぉ」
「有難う。はやてちゃん…」
服を着ながら光太郎は部屋を後にする。家の庭に出るなり、光太郎は深く考え込んだ。
(あのビルゲニアとか言う敵…明らかに強い。今の俺の力では到底太刀打ち出来そうにない…どうすれば良いんだ!?)
苦虫を噛み潰すような顔をしながら光太郎は悩んでいた。ゴルゴム打倒を目的としながらいきなり目の前に困難が現れてしまった。しかし、この困難を乗り越えない限り上には進めない。どうすれば良いのか。
また、なのはも深く悩んでいた。光太郎とは違い二階のベランダで一人考え事をしていた。
「ねぇ、どうしてあの時私はセットアップが出来なかったの?」
【マスターが意図的に魔力供給をシャットダウンしたからです。魔力が無ければ私はサポートが出来ません】
本来デバイスは魔力所有者のサポートを行うのが目的で作られている。従って魔力を使えない人間がデバイスを持ってても意味がない。それは今正しく、今のなのはに言える事であった。
なのは自身意識しない中で魔力供給を止めてしまっていたのだ。
その原因は只一つであった。
(あの時の赤い光…あれが私の中で目覚めてからだ。私の心が恐怖で一杯になってるのが分かる……怖い、魔法を使うのが……その魔法を使って誰かが傷つくって考えると、凄く怖い…)
胸に手を当てながら自分の心の中を知った。今の自分の心の中は底知れぬ恐怖で一杯になっている。この恐怖が今重い足枷となり思う様に戦えないようにしてしまっていたのは明白だった。
だが、どうする事も出来なかった。恐怖を振り払おうにもその根源は余りにも強大だったからだ。
悩めば悩むほど重く沈んでしまう。二人揃って深く頭を下げる始末であった。
「ほぉい、お二人さん。そろそろご飯にしよやぁ!」
下の階からはやての呼ぶ声が響いた。それを受けて二人は食卓に向う。だが、その二人共元気がなかった。すっかり沈み込んでいる。
「ふ、二人共何かあったんか? 何や偉いテンション低いなぁ…」
「え? な、何でもないよ。ね、なのはちゃん」
「う、うん…」
言葉では否定するもののやはり元気がない。まるで顔に覇気が宿ってないのだ。それに仕切りに首を傾げるはやて。
「う〜ん、二人共悩みの多い年頃ってのは分かるけどなぁ。私としては折角作った料理を仏頂面で食べて欲しくないんよ。だから悩みがあるなら私が相談に乗るよ」
二人の負担を少しでも軽くしよう。そう言う思いがあったの
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