第47話 剣聖ビルゲニア
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に言い聞かせる事にした。
だが、いざ裏口に入ろうとした時、何処からか異様な気配がするのに気づいた。
(何だ? この異様な気配は…この凄まじい殺気は…人間の者じゃない!)
殺気は博物館横の林の奥からだった。盾と剣も気になるがまずは殺気を探る事が大事であった。
早速林の中へ足を踏み入れる。中は細い木々が生えているが別に動き回れない程鬱蒼とはしていない。寧ろ姿が回りに見えない分戦い易い環境である。
「何処に居る? お前の気配は既に分かっているんだ。出て来い! ゴルゴム怪人っ!」
周囲に向かい光太郎が叫んだ。付近で奇妙なざわつきが感じられる。恐らく近くに居るのだろう。
咄嗟に身構える光太郎。その時、突如林の中から何かが飛び出してきた。
身の丈は光太郎の背よりも頭一つ位大きい。
不気味な外装をした獣が其処に居た。
「コイツは…ゴルゴム怪人じゃない! 何だコイツは?」
一目見てこいつがゴルゴム怪人ではない事を悟った。コイツからはゴルゴム怪人からは感じない何かを感じられるのだ。
光太郎よりもかなり遅れてなのはもまた博物館前にたどり着いた。
「やっぱり閉館だよねぇ…でも、だとしたら光太郎さん何処に行ったんだろう?」
辺りを見回すも光太郎らしき人影は見当たらない。ふと、なのはは博物館を見た。
「まさか…裏口から入った…なんて事はないよねぇ…」
自身でそう言いながらも若干不安になる。もしかしたら…
「盗む訳じゃないし…ちょっとだけなら良いよね…」
やはり後ろめたさはあるが仕方ない。意を決してなのはは博物館内へと足を運んだ。途中で巡回する警備員が居た。見つかると叩き出されてしまう為に慎重に行動せねばならない。
「そ〜〜っと、そ〜〜っと…」
見つからないように無事に博物館の展示室内へと入れた。其処で、先ほどテレビで見た剣と盾を見つける。
「これを見て光太郎さんは飛び出して行ったみたいだけど…これの何処が変わってるんだろう?」
見た所普通の盾と剣である。只、盾に施されている装飾は一風変わってはいるが別に変わった所はない。
「う〜ん、此処に光太郎さんは居ないみたい…それじゃ一体何処に光太郎さんは…」
展示室内を見回す。だが、やはり光太郎の姿は何処にもなかった。仕方なく引き返す事となる。
だが、この時なのはは気づかなかった。展示室内に置かれていた剣と盾が怪しく揺れ動いていた事に…
***
「あぁ、一体何処に行ったんだろう? 光太郎さん」
無事博物館から出て来たなのはは光太郎の行方が分からず途方に暮れていた。だが、そんな時近くの林から獣の呻き声の様な物が聞こえてきた。
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