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スーパーヒーロー戦記
第47話 剣聖ビルゲニア
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「ははっ…」

 真相を隠すかのように光太郎は笑う。そして、今度はなのはの方を見た。

「君は始めて見るね。僕は南光太郎って言うよ。宜しく」
「始めまして。高町なのはです」

 そう言って二人は互いに握手を交わす。

(え?)

 ふと、なのはは光太郎の手を握った際に何かを感じ取った。何処かで同じ感触を感じた記憶がある。それは、とても悲しい感触でもあった。

「さぁさ、のんびり屋な信彦兄ちゃんは後にしてご飯にしよっ、もうお腹ぺこぺこやぁ」
「そうだね。あぁ、腹減ったぁ」

 それから、八神家に上がった光太郎と共に楽しい夕食が行われた。光太郎と話している時のはやてはとても生き生きしている。
 光太郎もまたはやてと楽しそうに話しをしていた。だが、何処かおかしい。光太郎が心から笑ってるようには思えない。何かを隠してるような気がする。
 なのはにはそんな気がしたのだ。ふと、先ほど光太郎の手を握った方の手を見た。

(あの時の感触…本郷さんや一文字さん達のと同じ…もしかして光太郎さんも…)

 相変わらず彼女の感覚は鋭かった。そんな中、はやてが光太郎に綺麗にラッピングの施された箱を手渡す。

「ほい、光太郎兄ちゃん。私からの誕生日プレゼントやでぇ」
「あはは、有難う。中身な何だろう?」

 嬉しそうに箱を開ける。中に入っていたのは黒い指ぬきグローブであった。

「光太郎兄ちゃんバイク好きやろ? これ結構デザインもかっこよかったし光太郎兄ちゃんにピッタリやと思って買っといたんや」
「有難うはやてちゃん。嬉しいよ」

 とても嬉しそうに微笑む光太郎。そんな時、ニュースが流れた。

【次のニュースです。本日正午過ぎ頃、町外れの廃工場付近で死体が発見されました。遺体は遺跡発掘調査の中心を担っていた『秋月総一郎』さんと判明。警察は殺人事件と見て捜査を進めていく方針です】

「え?」

 楽しい雰囲気から一転して場の空気が静まり返った。はやてが先ほどのニュースが報じられたテレビから離れようとしないのだ。そして、光太郎もまた同じ思いでテレビを見ていた。

「そ、そんな…秋月のおじちゃんが…おじちゃんが死んじゃったなんて…」
「は、はやてちゃん!」

 光太郎がそっとはやての側に近づき頭を撫でる。するとはやては目から大粒の涙を流して光太郎の胸に飛び込み、そして大声で泣いた。
 彼女にとってはこれで二度目になる。愛する親を奪われた悲しみ。それは何となくなのはにも分かる事でもあった。
 もし、あの時父士郎が死んでいたらきっと自分も同じ気持ちになっていた筈だからだ。




     ***




 光太郎の遅れた誕生日パーティー、そして秋月教授の死の悲報から翌日。光太郎は
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