第百四十八話 サイレント=ボイス
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言わない。この言葉にも意味があった。
「だからわかることだ」
「あの人が弱い、ねえ」
「その弱さと業が彼女をああさせた。それを終わらせてやって欲しい」
「何かよくわからねえが戦いはするぜ」
ジュドーは言った。
「それでいいよな」
「その通りだ」
彼等は自然とある場所に向かった。それは何によって導かれていたのかはわからない。お互い感じあっていたのかも知れない。ジュドーがそこに向かうとすぐにハマーンもやって来た。二人はそこで対峙した。
「来てくれたか、ジュドー」
ハマーンはジュドーの姿を見て述べる。
「招きに応じてくれて何よりだ。礼を言おう。
「礼とかそんなのはどうだっていいさ」
ジュドーは彼女にそう返す。
「それよりハマーン」
そのうえで言う。
「何だ?」
「あんた、自分で納得してるんだよな」
そう彼女に問う。
「今の自分をよ」
「戯言を」
その言葉に笑う。
「私はミネバ様にお仕えしている。それ以外の何者でもない」
「いや、違うだろ」
ジュドーは彼女に言った。
「あんたは自分を誤魔化している。あんたは無理をしているんだ」
「馬鹿なことを言う」
「言葉じゃない、感じているんだ」
「何っ」
その言葉に目を鋭くさせてきた。
「あんたの心をな。あんたはザビ家の呪縛からも解き放たれたいんだ」
「私がか」
「そうさ、ミネバ=ザビだって本当は素直に接したい」
「ミネバ様はジオンの主であられる」
ミネバについても言った。
「それだけだ」
「違う、あんたはミネバについても本当は一人の女として接したいんだ」
「貴様、まだ戯言を」
「戯言じゃないのもあんたがわかってる筈だ」
また言葉を返す。
「だからあんたは」
「私はザビ家の人間だ。他の何でもないと言っている」
「ハマーン、何時までそうして自分に嘘をつく」
クワトロが横から言ってきた。
「シャア」
「御前はわかっている筈だ。自分の業を」
「業だと!?」
「ザビ家の業」
彼は言う。
「スペースノイドの業、女の業。そうしたものに全て囚われている。だからこそ」
「私を解放するとでもいうのか」
「少なくとも業は消せる」
そうハマーンに述べる。
「それは知っておけ」
「小賢しい。私の前から姿を消しておきながら」
ハマーンはその目に憎しみを込めてクワトロに対して言った。
「よくそんなことが言えるものだ」
「私は御前を受け止めることができない」
それがシャアの言葉だった。
「それがわかったからだ」
「違う!御前は私から逃げたのだ!」
ジュドーと対峙してからはじめて感情的な言葉を出してきた。
「私から!だからこそ私は!」
「ハマーン、あんた」
そのハマーンの感情はジュドーにも伝わる。それを受けて彼女に言った。
「だから
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