第百四十六話 キモノオモイデニサヨナラ
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三人は楽しく食事を摂っていた。
「美味え、美味えぜこれ」
オルガは手掴みで肉かスライムかわからないものを食べている。
「癖になろそうだぜ」
「このサラダだって」
赤と黒の不気味なドレッシングをかけた変な生野菜の山はクロトが食べている。
「いいよ、このドレッシングが」
「いける」
シャニが貪っているのは泥みたいになったプリンかケーキかわからないものである。三人はラクスのものだけでなくクスハのものも喜んで食べていた。それで全く平気であった。
「おいおい、また凄え食いっぷりだな」
バサラがそんな彼等を見て言う。
「豪快なもんだぜ、気に入ったぜ」
「あんた、食べ物には注目しないのね」
「?俺は別にそんなの気にしないぜ」
平気な顔でミレーヌに返す。
「別にな」
「あっきれた」
「けれど嬉しいです」
ラクスはにこやかに笑って述べていた。
「これ程までに召し上がって頂けるなんて」
「あの、アズラエルさん」
ミサトが彼等を見てアズラエルに声をかける。
「何故平気なんですか?彼等は」
「彼等は元々丈夫でして」
アズラエルは平気な顔でそう述べる。
「それでなのですよ。ああしたものを食べても平気なのは」
「強化人間でも駄目なのに」
「彼等は特別です」
アズラエルは言う。
「おそらく何をやっても死なないでしょう」
「不死身、ですか」
「はい」
さらりととんでもないことを述べる。
「ですから」
「おかわり」
オルガが言う。
「このお握りいいよね」
クロトは今度はクスハの握ったお握りを食べている。
「俺これ」
シャニはユリカの作ったサンドイッチを。三人はそうした劇物を食べても平気な様子であった。
「またとんでもねえのが入ったもんだぜ」
さしものリュウセイも彼等には脱帽していた。
「全然平気なんてよ。どうなってるんだよ」
「あら、面白いじゃない」
しかしアヤは彼等を見て笑っていた。
「ああでなければね。個性が際立たないわ」
「個性、ねえ」
「うちの坊やもやんちゃだけれど。あそこまではいってないわね」
「おい、坊やって」
すぐにそれが自分のことだとわかり抗議する。
「俺はまだガキだっていうのか」
「その通りだな」
ライが横から言ってきた。
「もっと大人になれ」
「何だよ、ったくよお」
「よかったら大人のことを教えてあげるわよ」
アヤはリュウセイを見てくすりと笑ってきた。
「お姉さんがね」
「へっ!?大人のことって?」
「本当に子供ね」
そんなリュウセイに苦笑いを返す。
「困ったことだわ」
「ってアヤ」
ミサトがここでアヤに囁く。
「貴女だって。キスもまだなんでしょ?」
「けれどリュウセイがあんまりだったんで」
くすりと笑って返す。当の本人はからかわれたことも気
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