第百四十六話 キモノオモイデニサヨナラ
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ですか。またこれは」
見れば死んでいるかのようであった。最初見た時は生き物とは思えなかったがよく見るとわかってきた。
「酷いですね」
「一応は生きているわよ」
彼女はそうキラに説明する。
「次の戦いには間に合わせるし」
「はあ」
「君もね」
今度はキラに話を移してきた。
「一体何を食べたのよ」
整った眉を顰めさせて問う。
「毒薬?それとも毒草?産業廃棄物?」
「いえ」
しかしキラはその言葉に首を横に振る。
「どれでもないです」
「じゃあ何よ」
「ラクスの作ったお握りです」
彼は答える。
「それを食べて」
「それでなのね」
「はい」
こくりと頷いて答える。
「それで」
「困ったわね」
リツコはそれを聞いてふう、と溜息をついた。
「彼女といいクスハちゃんといい。何かね」
「料理が下手なのかはともかく」
キラは呻きながら言う。
「あれは戦略兵器ですよ」
「そうね」
リツコはその言葉に同意する。
「あの威力は」
「そういえば」
ここでリツコはふと気付いた。
「彼等も食べていたわよ、ラクスさんのお握り」
「彼等って?」
「オルガ君達よ」
「えっ」
キラはそれを聞いて思わず声をあげた。身体は動かない。動けないのだ。
「三人で今食べてたけれど」
「本当ですか?それ」
「この目で見たから。確かよ」
「はあ」
キラは呆れた感じであった。まさかと思ったのだ。
「大丈夫なんですか?」
「とりあえず平気で食べているわ」
「凄いですね、僕は駄目でしたけれど」
「彼等はどうも特別みたいなのよ」
首を傾げて述べる。
「身体の頑丈さがね」
「普通人ですよね」
キラは問う。
「強化は残ってるけれどね」
「元が凄かったんでしょうか」
「とにかく頑丈なのよ」
「いや、頑丈って問題じゃ」
ここで相変わらず残骸になっているシンに目を向けた。
「シンだってあれを食べたら卒倒したのに」
「世の中色々な人間がいるわ」
かなり酷い言葉であった。
「彼等にしろ」
「だからあのガンダムを操っても平気なんですか」
「そうでしょうね」
リツコはそれに応える。
「頑丈なのは」
「そうなんですか」
「そもそもの基本が強化人間並なのよ、彼等」
「凄いですよ、それって」
凄いというレベルではない。脅威ですらある。
「有り得ないっていうか」
「彼も有り得ない程やられたわね。全く」
下に転がっているシンを見て言う。
「何処をどうやったら」
「それにしても博士」
シンジはまたリツコに問う。
「彼等は病気の心配は」
「風邪一つないわね」
きっぱりと述べる。
「本当に」
「そうなんですか。一体どうやったらあそこまで強く」
だがここで限界がきた。ラクスの毒に蝕まれたのだ。その頃
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