第百四十六話 キモノオモイデニサヨナラ
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の大義を否定してきた。
「何!?」
「いいか、大義ってのはなあ」
彼は言う。
「勝とうが負けようが信じてなんぼよ!」
そう草壁に対して主張する。
「勝つ為にひん曲がった大義なんか一文の価値もねえんだよ!」
「私の崇高な大義を否定するのか!?」
「その通りだ!」
毅然として言い返してきた。
「あんたの大義、微塵の価値もねえ!そんな奴等に俺達が負ける筈もねえんだ!」
「なっ、その傷で言うのか」
見ればロンド=ベルは皆かなりのダメージを受けている。やはり圧倒的な数の敵を相手にしているからだ。
しかしそれでも皆戦う心は失っていなかった。ダイゴウジも。そしてルリも。
「ダイゴウジさんの言う通りです」
彼女は言う。
「大義は貫いてこそ。貴方は今までそれを曲げ過ぎていました」
「それも戦略だ!」
「はい」
ルリは一旦はそれを認める。
「ですが。曲げたのは事実です。貴方の大義は結局はお題目だったのです」
「くっ・・・・・・」
「野心の為の。大義ではありません」
「おのれ、私をそこまで」
「艦長、目標をかぐらつきに集中させて下さい」
冷静な声でユリカに進言する。
「そして一気に」
「わかりました」
ユリカは迷うことなくそれに頷いた。
「艦首をかぐらつきに向けて下さい」
「了解」
ハルカがそれに応える。
「それじゃあ」
「お願いします。北辰衆はお願いします」
アキト達に述べる。
「了解」
それにジュンが頷く。
「それでは彼等は僕達で」
「おう、わかったぜ!」
リョーコがそれに応える。
「じゃあ早速な!」
彼等も戦いに入る。アキトは北辰に向かう。
「来たかテンカワ=アキトよ」
「やっぱり御前の相手は俺なのか」
「そうだな」
彼はアキトを見て不敵に笑って返す。
「では苦しまずにしてやろう」
「一撃で決めるつもりなのか」
「そうだ」
そうアキトに答える。
「では行くぞ」
「ならこっちも!」
アキトも退かない。攻撃態勢に入る。
「逃げない。俺も一撃で決める!」
「参る」
二人は同時に前へ出た。そのまま一直線に相手に向かう。
一瞬だった。二つの影が交差した。後に残っているのは。
「ふ・・・・・・」
お互い背中合わせに立っている。北辰はそうして立って笑っていた。
勝ち誇ったような笑みだった。だが暫くしてその口から一条の血が流れ落ちた。
「見事だ。褒めてやろう」
それが最後の言葉だった。北辰は爆発し炎と化して姿を消したのであった。
かぐらつきもまた。草壁は確かに奮戦していた。
「ナデシコの動力部を狙え!」
そう指示を出して重力砲を放たせる。しかしそれはユリカに読まれていた。
「上です」
上昇するように言う。実際にナデシコを上昇させ動力部への攻撃を避けた。
「危
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