第百四十五話 スターダスト=メモリー
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ーベットがそれに異を唱える。
「彼女だけじゃないと思うわ」
「馬鹿な」
しかしカミーユはそれを否定しようとする。
「あの女がいるから戦いは」
「だからそれはどうかって言ってるのよ」
マーベットはまた言う。
「ハマーン=カーンだって一人の人間よ」
「そうね」
その言葉にジュンコが頷く。
「同じ人間なのよね。ハマーンにしろ」
「ええ」
「彼女だけのせいじゃないかもね。ネオ=ジオンは」
「そんなことは」
カミーユはマーベットとジュンコの言葉を否定しようとする。しかし横からフォウが言ってきた。
「カミーユ」
「フォウ」
「少し落ち着いて考えてみるといいわ」
「どういうことなんだ?」
「ネオ=ジオンには何があるか。そしてあのハマーンが何に縛られているか」
「ハマーンが」
「ええ。私がサイコガンダムに縛られていたみたいにね」
彼女は言う。
「彼女も。何かに縛られているのかも」
「じゃあ一体何に」
「業だ」
クワトロがまた言ってきた。
「ザビ家の業だ。ハマーンはその中にいる」
「クワトロ大尉」
「かつてシャア=アズナブルという男がいた」
彼は語る。
「己の業により復讐を果たそうとしていた。だがそれを新たな思想により逃れ」
それがニュータイプの思想であった。
「さらに多くを知りその業を取り払った。彼がそうできたのだから」
「ハマーンもまた」
「できるのではないかな」
彼はカミーユに言う。
「若しかしたらな」
「そういえば」
ジュドーがここで気付いた。
「あの人からは何か複雑なものを感じるんだ」
「複雑なものですか!?」
それにウッソが問う。
「それは一体」
彼はハマーンと直接対峙したわけではない。だから感じてはいなかった。
「何て言うかな。確かに悪いんだ」
ジュドーはそれに応えて言う。
「ドス黒い。けれど」
「けれど!?」
「悲しいんだ」
彼はそう述べる。
「必死に耐えているみたいな感じでな。無理をして」
「無理、か」
シーブックがその言葉に呟く。
「それも因果のせいなのか」
「そうね」
セシリーがシーブックの言葉に頷く。
「私はロナ家から解放されたけれどあの人はずっと」
「ずっとなのか」
「ええ。だから」
「若しかしたらよ」
ジュドーはここで述べる。
「ハマーンって悪い奴じゃねえのかもな」
「・・・・・・・・・」
クワトロはその言葉にあえて何も言わない。黙っている。
「どうかな」
「その通りだと思います」
リリーナがその言葉に答える。
「あの人は捻れているだけなのです」
「捻れているだけか」
「はい。ですからその捻れから解き放たれれば」
「変われるのかもな」
「ええ」
リリーナは答える。
「あの人もそれに気付いているのかも知れ
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