第百四十一話 ザルク
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したよね」
「実は知っていたからね」
マサトはそうシンに返した。
「何があるのかも予想していたし」
「そうだったんですか」
「だからコロニーの周りで待機していたんだよ」
彼は言う。
「いざという時の為にね」
「僕もまた同じですか」
「じゃあ聞くぞ」
凱が彼に問うてきた。
「御前の御両親はオーブにいるな」
「はい」
その言葉にこくりと頷く。
「じゃあそれでいい。その人達が御前の御両親だ」
「えっ」
「カガリもそうじゃないのか?」
驚くキラをよそに今度はカガリに問う。
「御前の親父さんは」
「父様しかいない」
カガリの返事も決まっていた。
「私はカガリ=ユラ=アスハだ。それ以外の何でもない」
「うん、その通りさ」
ユウナが彼に微笑んできた。
「実はね、僕は知っていたんだ」
「そうだったのか」
「君の御父上から聞かされていたよ。けれどそれはどうでもよかったね」
「ユウナ・・・・・・」
「カガリはカガリだからね」
にこりと笑って述べる。
「他の誰でもないんだから」
「済まない」
「ははは、これでおしとやかならいいんだけれどね」
「ユウナ様」
また要らんことを言ったユウナにキサカとトダカが言う。
「いい場面ですから」
「その様なことは」
「おっと、そうか」
それに気付いて言葉を変える。
「まあそういうことだよ。だから僕は今まで通りつき合わさせてもらうよ」
「有り難う」
「キラ君にもね」
ユウナは今度はキラに声をかけてきた。
「ただし、条件がある」
「条件!?」
「カガリの面倒を見て欲しいんだ。兄妹なんだよね」
「ええ、まあ」
「正直僕一人じゃ生傷が絶えなくてね。これで結構大変なんだよ」
「確かユウナさんってオーブの首相でしたよね」
その首相らしからぬ言葉にキラはいささか面食らった。
「あと首席補佐官に参謀総長、軍の司令官に主席秘書官もやっているよ」
何時の間にか職の数がまた増えている。
「けれどこれは僕としてのお願いなんだ」
「ユウナさんの」
「カガリは他に家族もいないからね」
「はい」
それはわかる。ウスミは壮絶な戦死を遂げたからだ。
「だからね。頼むよ」
「わかりました」
キラもキラとして彼の言葉に頷いた。
「それじゃあ」
「うん、これからも宜しくね」
「何か私はトラブルメーカーなのか?」
「自覚してねえのかよ」
シンがそれに突っ込みを入れる。
「そのものだよ」
「また御前に言われるしな」
それもまた不満であるらしい。
「全く」
「まあ御前もこれで天涯孤独じゃなくなったな」
「そうだな」
それは嬉しかった。
「じゃあキラ」
あらためてキラに声をかける。
「私が御前の姉になるんだな」
「あれ、そうなの」
「当たり前だ
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