第八話 幼児期G
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願の魔導師の補佐らしく、かっこいいことぐらいさせてくれてもいいじゃないですかッ!! というかすみっこ取られたァーーー!!!』
「……うっちゃい!!」
『ぶほぉッ!?』
すげぇ、クリティカルヒット! あ、さらに追撃に追い打ちだと! 同僚さんに教えてもらったという痴漢撃退法が華麗なるコンボで決まっていく! 使用武器座布団によるラッシュラッシュ倍プッシュ!!
……さて、実況もここまでにしておいて。おーい、妹よ。コーラルがうるさかったのは認めるが、そろそろ座布団攻撃はやめてやれー。母さんが本気で同僚さんとの付き合い考えそうだからー。
妹様就寝。
「おーい、生きてるかー?」
『…………』
「返事がない、ただの残骸のようだ」
『無茶苦茶ひどいッ!?』
お、復活した。今の声に妹が起きなかったことに安堵しながら、ふらふらと飛んできた。まぁなんというか……どんまい!
一応コーラルの言い分もわかるといえば、わかるんだよね。魔法が使える世界に転生するなら、やっぱり魔法使ってみたいじゃん。これが余のメラだ、とか真顔で言えるんだぞ。キリッ、とか効果音付かないんだぞ。
実際母さんに見てもらったら、俺はなかなかの魔力量を持っているみたいだった。さらに、魔導師ランクSの母さんの素質も受け継いでいるらしい。
たぶん俺が母さんの子どもとして生まれた要因の1つが、『魔法の素質は高めがいい』とお願いしたことだろう。魔力量はわからないが、魔導師としての素質は遺伝的なものも大きいため、親の能力を子が受け継ぐこともあるからだ。
『それよりも、本当にどうして魔法を使わないのですか? 初めの頃はあんなにも喜んでいたのに』
「いや、そのさぁ…」
確かにデバイスをもらった時は喜んだ。魔法が使えると思ったら嬉しかったさ。だけど、まさかあんな落とし穴があるなんて思わなかったんだよ。俺は、魔法を甘く見ていたんだ。
「あのな、コーラル。俺もさ、本当は魔法を使いたいんだ。だけど、初めて魔法を使った時、俺は現実を知ってしまったんだ」
『現実? 正直ますたーは魔力量も素質も高いです。魔導師として大成できるだけの能力があるからこそ、僕もますたーに魔法を覚えて欲しいと思っているのですよ』
「魔法の才能だけじゃ、乗り越えられないものがあるって気づいたんだよ」
俺の自嘲を含んだ声音に、コーラルも押し黙る。いくら才能があっても、世界は厳しいものだった。ただそれだけのことだ。前世から俺を苦しめてきたものが、まさか今世でも俺に牙を剥いてくるとは思ってもいなかったんだ。
『……僕はますたーの相棒です』
「コーラル?」
『ますたーを支えるのが僕の役目です。だから僕がますたーを助けます。どうか諦めないで
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