第八話 幼児期G
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しかし、昔はこいつもレイハさんみたいな英文しゃべりだったのに、いつのまにか流暢に話すようになったんだよな。母さんが「なんで?」とコーラルを見て、まじで疑問に思っていたから、普通のインテリジェントデバイスとはなんか違うのかね? むむぅ。
そんな風に考えていたが、コーラルの声が聞こえなくなっていたので不思議に思い、盤上から顔を上げる。俺の対面には、ふよふよ浮いているコーラル。俺は静かになったコーラルの態度に首をかしげた。
「どうした? コーラルの番だぞ」
『ねぇ、ますたー。僕はますたーのデバイスですよね』
「そうだな」
『僕は魔法を使うための道具です。それなのにこんなことでいいのでしょうか…』
「え、だめなのか? コーラルはデバイスだけど、俺にとって大切な家族なんだから好きにしたらいいんじゃね。俺はお前とこんな風に一緒にいるの好きだしさ」
別にデバイスだからって、おかしくはないだろ。コーラルが本当にいやがるなら、俺はおしゃべりもオセロも遊びにも誘ってないと思う。というか、家にあるパソコンゲームでキーボードの上で高速タップダンスしながら積みゲーするようなデバイスだぞ。今さら何言ってんだか。
『……ますたーって、時々天然ですよね』
「は?」
『なんでもないですよー。悩むのが馬鹿らしいですし、もう僕は僕で好きなようにやっちゃいます。ますたー、左から2列目、上から5列目で』
なんじゃそりゃ。雰囲気的にどうやら機嫌が良くなったみたいだけど。よくわからんが、なんか復活した感じらしい。まぁ、よかったのかな。
『ところでますたー。暇なのでしたら、魔法の練習でもしましょうよー』
……いらんところまで復活しやがった。
「あー、また今度な。はい、ここ」
『それ前も言ってませんでしたか。そろそろデバイスとしての本願を果たさせてくれてもいいじゃないですか。本当にお願いしますよー。右から2列目。上から3つ目』
「大丈夫だよ。魔法ならいつかするから、いつか。あ、すみっこもーらい」
そう言いながら盤上のはしっこに、黒をパチッと音を立てながら置いた。くるりとひっくり返っていく白の陣地に満足しながら作業を終える。
またしても静寂が訪れた。だが、この感じは覚えがあるな。コーラルと過ごしてもうすぐで2年になる。なので、おおよその相手の性格傾向を把握している訳だが……あ、そうだ嵐の前の静けさってやつだ。
『いつかって…』
あ、来る。疑問が解消してすっきりしたところで、俺は慌てて耳を手で塞いだ。
『いつかっていつなのですかァァ!? なんでそんなに魔法使わないのですか! ますたーは魔法の素質は十分すぎるほどあるのに! もう防犯ブザーでも拡声器扱いされても諦めましたから、せめて念
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