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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第二十四話 海の上の激闘   ★
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 この上空から地上に落ちていっているというのになのはには何の迷いも怯えもない。

「―――風は空に、星は天に。輝く光はこの腕に」

 なのはが軽やかにでもしっかりとした声で詠う。

「―――不屈の心はこの胸に!」

 初めて聞く、なのはの詩。
 その詩はなのはの覚悟の証のように力強い。

「―――レイジングハート、セーット・アーップ!」
「Stand by……ready!」

 その詩声に応え、強く光輝く赤い宝石。

 なのはとレイジングハート、この二人なら大丈夫だ。

 ここはなのはとレイジングハートの舞台。

 そして、その舞台のパートナーは俺ではない。

 フェイトとバルディッシュ、彼女達が相応しい。

 ならば俺のすることは決まっている。
 二人の舞台を邪魔する相手を阻むだけ。

 レイジングハートを持ち、いつもの服に身を包んだなのはの落下スピードは格段に緩やかになる。
 それに合わせ、俺も足場を用意する。

「―――投影、開始(トレース・オン)

 外套から取り出すように投影するのはプライウェン。
 セイバー、アーサー王が持っていた盾にして船だ。
 盾に乗り、なのはと並び、ゆっくりと降りる。

 雲を抜け、荒れた海上に出る。

 ジュエルシードを発動させた影響だろう。
 今にも消えてしまいそうな弱々しい光を放つ鎌を持ち、俺達の登場に困惑しているフェイト。
 それにジュエルシードの雷に体を拘束されているアルフ。
 それぞれの状況を確認し

「―――投影、開始(トレース・オン)

 左手には使い慣れた弓の子供バージョンを、右手には赤き猟犬を外套から取り出すように投影し握る。
 そして、いつもの動作で猟犬を弓に番える。

「アルフはこちらで助け出す。援護も俺が引き受ける」
「うん。行ってくるね」
「ああ、いってこい」

 しっかりと頷き、フェイトの方に一直線に空を翔けるなのは
 さて、俺もしっかりと役目を果たすとしよう。

 しかしこの欠点だけはどうにもならんな。
 身体の痛みに内心ため息を吐く。

 俺が足場として使っているプライウェンは空中での足場としては便利がいいし、対魔・対呪防御は高い。
 だがプライウェンは聖マリアが描かれた『聖盾』という事が問題なのだ。

 死徒である俺と聖楯であるプライウェン。
 つまりは乗っている間、常に痛みというよりダメージがあるという事。
 
 単純に飛ぶなら他の手がない事もないのだが、こうして空で静止して援護する足場という意味ではプライウェンの方が便利が良い。

 さて余分な思考もここまでだ。

 紅き猟犬の標的は三つ。
 アルフを縛る雷。
 俺達の登場で固まってしまっ
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