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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第二十二話 模擬戦
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て魔力弾が迫る。
 先ほどまでの魔力弾よりさらに速い。
 それを体を逸らしてかわす。
 そして、クロノに踏み込もうとした時
 嫌な感じがした。

 自分の本能を信じ踏み込んだ体を捻じり、無理やり軌道を変える。
 と背後から先ほど躱した魔力弾が再び迫っていた。
 誘導型、又は追尾型か。

 しかも魔力弾を撃墜しようと黒鍵を投擲するが

「爆発型ではなくて、貫通型か」

 黒鍵が弾かれ床を滑っていった。
 面倒な魔力弾だ。

 それにだ。
 壁を蹴り魔力弾をかわしながら考える。

 今のこの状況、誘導弾をかわし続け、勝ったとしても俺を敵にまわして厄介だと管理局側に思わせるのは難しい。
 いや、ゲイ・ボルクの存在があるから警戒はさせることができる。
 だがアレを使わなければ御せると判断されて強行な手段を取られると管理局と完全に対立する可能性すらある。
 少なくとも簡単に御せる相手ではないと管理局に認識される必要はある。
 そうとなると

「……正面突破か」

 このまま手を惜しみすぎるのも考えモノだ。
 宝具レベルではなく、かつ非常識な武器を使い、真正面から魔法ごと叩き潰すぐらいはして見せる必要はあるだろう。
 それをクロノ相手に平然と行えれば十分に実力を示すことは出来る。
 そうなると武器は何がいいか。
 あの貫通型の魔力弾ぐらいでは壊れないほど強固であり、普通の人間ではまず扱えない武器。
 そんな武器は……あるな。
 俺の姉であり妹であるイリヤの狂戦士のサーヴァントが持つ斧剣が

 決まれば行動あるのみ

 壁を強く蹴り、床に着地して、外套から取り出すように斧剣を投影する。

 あの狂戦士が持つ斧剣を子供が持つのだからアンバランスではあるが、死徒であるこの身で振ることは難しくない。
 俺の意図を理解したか

「スナイプショット!!」

 クロノが魔力弾がさらに加速させる。
 だがそれを

「はあっ!!」

 横に薙いだ斧剣で粉砕する。
 そのまま踏み込み、斧剣をクロノに叩き込む。
 もちろんクロノはシールドを張るが

「っ!!」

 ミシミシと嫌な音をたててシールドに罅が入り、シールドが砕け散った。

 シールドが砕けた衝撃でクロノの体が離れ、斧剣自体は空振りになる。
 だがそれでいい。
 振り抜いた斧剣の運動エネルギーを殺さず一回転し、斧剣をクロノの頭に向かって投げる。
 勿論、回転中に斧剣を捻じり、刃の方がクロノに向かないようにはしている。
 だが咄嗟に後ろに跳んでいたクロノはそのまま飛ぼうとしていた。
 その状態で顔面にあの巨大な斧剣が飛んでくるのだから上には逃げれない。
 もちろんあのサイズをかわすには左右にもかわせない。

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