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外伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
NO.1、再び(1)
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早いです。何時の間にか今回の異動に関する噂を調べてる。
「宇宙艦隊司令部では結構力を持っているようね。ブラウンシュバイク公と繋がりが有るらしいわ」
「じゃあ軍では有力者なんですね」
先輩が頷いた。
「まだ階級は低いけどね、無視できる存在ではない、そんなところかしら」
ブラウンシュバイク公か……、平民出身の少将を左遷する事なんて簡単だろうな、可哀そうに……。ブラウンシュバイク公に睨まれた以上この先の出世は有りえない……。これからはずっと兵站統括部か……、傷付いてるだろうな、落ち込んでるかもしれない。傷心の少将を私が慰めてあげなきゃ……、ちょっと嬉しいかも。だとするとやっぱりあの副官は邪魔よ!
「宇宙艦隊司令部に知り合いがいるんだけれど随分酷かったらしいわよ」
「酷いって言うと?」
「出兵計画を練る時も何かにつけてネチネチ嫌味を言ったらしいわ。ヴァレンシュタイン少将(ぼうや)は相手にしなかったらしいけど……」
上等じゃないの、シュターデン。バックにブラウンシュバイク公が付いてるからって良くも少将を苛めてくれたわね。あんたは私を、兵站統括部を敵に回したわ、あんたの補給要請は最大限後回しにしてあげる。私が飲んでるこのコーヒーみたいに不味くてどす黒い気分にしてあげる。
「何故そこまで嫌うのでしょう? ヴァレンシュタイン少将が平民だから、ですか?」
「うーん、ジェラシーじゃないかしら。ヴァレンシュタイン少将(ぼうや)が宇宙艦隊司令部に行ったのはミュッケンベルガー元帥が要請したからだっていう話だし、元から司令部にいた人間にとっては面白くないわよね」
「なるほど、そうですね」
ヴァレンシュタイン少将には後ろ盾が無い。司令部に呼ばれたのは純粋に実力を買われての事だろう。元から居た参謀達にとっては、特に縁故を利用して司令部に居る人間には面白くないに違いない。辛かっただろうな、この国では平民が有能だと言うのは決して本人のためにはならない。むしろ凡庸な方が安楽な一生を終える事が出来る……。
ドアが開く音がして視線を向けるとコートを着た男性がこちらに歩いて来るのが見えた。長身、明るい茶色の髪、整った顔には感じの良い笑みが浮かんでいる。ハインツ・ブリューマー少佐、先輩の恋人だ。
「待たせてしまったかな」
「大丈夫よ、今日はアデーレが居てくれたから」
「それは良かった」
ブリューマー少佐がにっこりと私に微笑んできた。私も笑顔を返したけど正直複雑だった。どうして良い男って恋人がいるんだろう。
ブリューマー少佐がコートを脱ぐと先輩の隣に座りコーヒーを頼んだ。
「それで、俺に話しと言うのは何かな?」
先輩がチラっと私を見てから少佐に話しかけた。
「ヴァレンシュタイン少将(ぼうや)だけど課長補佐っておかしくないかしら
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