十四話〜あれ? 縛っちゃうの?〜 3月26日修正
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も思っていたのだがその血を見た時点で奴は情けない悲鳴を上げて気絶してしまった。致死量だと思ったのだろうか。まあなんにせよ……情けないやつだ。
「そういうわけでこの血は人間のじゃなくて動物の血が付着しただけだよ。リニスも山猫を素体にしてるんだから鼻は良いはずでしょ?」
お前なら少し臭いを嗅げば分かるだろうに。
「ちょっと待って下さい……っは! 確かに、鶏の血の匂いがしますね」
リニスがすぐにこちらに寄ってきて、俺の腰を両手で押さえ腹に顔を寄せて血の匂いを嗅いで確認したところ、納得した。
……しかしリニスよ。もう大人と言っても過言ではない女子高生ぐらいの姿の女性が小学三年生の腰を両手で掴んで腹に顔を近づけて真剣な顔で匂いを嗅ぐのはどうかと思うぞ。なんていうか……変態に見える。
「……ということは、この血には奴のは混じってないということは奴はどうしたんですか? 一体今はあいつはどんな状況なんでしょうか」
「非殺傷で切り付けた時に鶏の血を飛び散らせて、奴自身の血が出たと勘違いさせたら気絶したよ。メンタル弱いね、あいつ」
「そうなんですか。……それはともかくマスター。あんなスピード出せたんですね。速すぎて停止した瞬間しか見えませんでしたよ」
「そりゃあ……俺だって本気を出せばそれなりの速度は出せるさ」
まあ、衝撃緩和の魔法があるからこのくらいのスピードをホイホイ出せるんだけどな。
……異世界にいた頃はこのスピードを五分維持するだけで体が崩壊しそうだったのに。
本当にこの世界の魔法は便利だな。己の肉体はそれ程鍛えなくても魔法の腕さえ良ければ簡単に強力な力を手にすることが出来る。
「てっきりマスターの戦い方は固定砲台がメインかと思ってましたよ。普段の模擬戦でも全く動かないんですから。……もしかして他にも実力隠してますか?」
「実力ってのは隠すものだろう?」
「……ちなみにどれくらい?」
「んー……大体8割くらいは隠してるかな? 俺の戦い方はあまり模擬戦には向いていないから使う機会がないんだよね」
「……はあ。今度本気で模擬戦して下さ「リニス! 大丈夫!?」フェイトですか」
「……あら?」
バリアジャケットを解除せずに血を拭いていると突如襲い掛かるバインド。
まだ、バインドの探知には慣れていないため回避に失敗し、捕まる。
リニスの困惑した視線が俺に刺さる。
油断してたというのもあるのだがリニスと使い魔契約しているイコール、フェイト・テスタロッサの警戒も解けないだろうか? と、無意識に思っていたのもあるだろう。
……考えてみれば俺とフェイト・テスタロッサは初対面なわけだから警戒が解かれる道理は無かったわけだ。阿呆か、俺は。もっと入念に客観的に物事を読み取れよ。
だから俺はいつまで経
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