アイングラッド編
SAO編
ビーター
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テスターだって?俺をあんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな。SAOのβテストに当選した1,000人のうちのほとんどが、レベリングのやり方も知らない初心者だったよ。あんたらの方がまだマシさ。でも、俺はあんなヤツらとは違う」
そこで、一度全員を見渡し、
「俺はβテスト中に、他の誰も到達出来なかった層まで登った。ボスの刀スキルを知ってたのは、ずっと上の層で刀を使うモンスターと散々戦ったからだ」
キリトがシステムウインドウを操作し、黒のコートを羽織る。
「他にもいろいろ知ってるぜ…情報屋なんか問題にならないくらいにな」
キリトの考え方は正しい。悪とされるβテスターという肩書きを自ら背負うことで、自分に注目を集め、集団の中の不和という厄介な問題を解決したのだ。
「そんなんβテスターどころやないやんか!もうチートやチーターや!!」 「βにチーター、だからビーターだ!」
「ビーターか…俺に相応しい名だ。そうだ…今日から俺はビーターだ。これからは、元テスターごときと一緒にしないでくれ」
黒のコートを翻し、キリトは次層に続く階段を登って行く。
「いいのか?」
パーティーメンバーの男が話し掛けてきた。
「何がですか?」
「このまま行くとやつは1人で進んで行くぞ。危険な最前線で孤独に死にゆく運命だ」
「人の事なんか知りません。貴方が行けばいいじゃないですか」
確かに、あの男には世話になった。だが、死にに行くのを止めるのは私でもなくていいはずだ。
「ああ、俺は行くぞ。だが、キリトと共には行かない。あいつの隣にいるべきは俺ではない」
「……言っている意味が解りませんが」
「解らなくていい。答えを急いでもいいことはない。今は、生き残れ」
そう言い残して男は去って行った。 否、去ろうとした。思い出したように振り向いて、
「俺の名前はレイ。宜しくな、アスナ」
そう言ってフレンド申請を出してくる。
そして、彼女が何かを言う前にキリトとは反対の方向、迷宮区の入り口に向かって歩いて行く。
「何を言いたかったの?」
それに答えてくれる人は誰もいない。そこでふと気がつく。
(あの人達はどこで私の名前を?)
少しの迷いのすえ、黒の少年を追った。
END
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