精霊神ルビス
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惑状況のリュカに問いただす。
「………ともかく…封印を解かないとね」
娘の質問には答えず、妖精の笛を吹き始めるリュカ…曲目は『コンドルは飛んで行く』だ。
笛を吹き終わると、淡い光が石像を包み込み、色艶を取り戻させる。
完全に石化から解放された美女が、アルル達の前で瞳を開けニッコリと微笑む。
「あ、貴女がルビス様ですね…わ、私はアルル!表の世界より、大魔王ゾーマを倒すべくアリアハンより参りました。どうかお力添えをお願い致します!」
「よくぞ私の封印を解いてくれました。アリアハンの勇者アルル…私はルビ「やっぱり母さんじゃんか!」
ルビスがアルルに向け優しい声で礼を述べ、自己紹介をしようとした瞬間、それを遮るかの様にリュカが力の抜けた声で話しかける。
「は?…あの…私は…」
「何だよ…母さんもこっちの世界に来てたんだ。しかも何…石になったりしちゃって?来て早々、ゾーさんに封印されちゃったの?ダッせー!」
どうやら精霊神ルビスは、リュカの母…マーサにそっくりな様で、リュカファミリーが扱いに困っているのだ…リュカ以外。
「い、いえ…私は貴方の母では…」
一生懸命違う事を説明しようとするルビス。
「あれぇ?何だか少し若返った?…石化すると若返るのかな?僕もビアンカも10年近く石になってたから、今でも若々しいし!」
リュカは妻を抱き寄せ、自身の若さを自慢する。
「あ、あのね…私は貴方の母ではありません」
完全にマーサである事を否定するルビス。
「あはははは、何言ってるんだよ母さん!?僕が母さんを見間違える訳ないだろ。………あれぇ、でも母さん…オッパイが萎んだかな?アルルとそれほど変わらない…それとも歳か?寄る年波には勝てないか!?」
「な…し、失礼な!!私はそんなに高齢では………ない……………ハズ…………」
流石のルビスも年寄り扱いされ、思わず反論をしてみたが、人間と比べればかなりの高齢の為、後半は力無く黙ってしまった。
「あぁそうだ母さん!唯一の男孫に彼女が出来ました!」
続いてリュカは、アルルとティミーを抱き寄せて、孫(マーサにとって)に彼女が出来た事を自慢する。
「あの…父さん…マーサ様じゃない様な気が…「可愛い孫が幸せになったんだ…喜んであげてよ母さん!」
誰もが彼女がマーサでない事が分かっている中、リュカだけが執拗にマーサ(?)と話をし続ける。
「だからちげーって、お前のお袋じゃねぇーつってんだろ!そんなババアじゃねぇよバカ!いい加減に気が付けよ!」
遂にキレるマーサ…もといルビス。
自己紹介を遮り、言いたい事を言わせない男に…
初対面にも拘わらず、自分の事を『母さん』と呼び続ける男に…
胸が萎んだと言ってくる男に…
年寄り扱いする男((リュカ
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