第34話
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も動きは始める時間よね。
ご飯は食べたばっかだし、軽くホットドックの屋台とかでいいかしら。」
「おい、俺の質問を普通に無視するな。
それと人を巻き込んで安いホットドックで済まされると思うなよ。」
「じゃ、それにしよっか。」
「は?」
「だから世界で一番高いホットドックにしよう、それなら文句ないでしょ?」
「俺が言いたいのはそんな事じゃな・・・人の話を最後まで聞け。」
麻生の意見を無視してずるずるずると美琴に引っ張られて路地を歩いていく。
一個二〇〇〇円。
その値段を見た麻生は店員ではなくどんな食材を使っているのか気になるのか、キャンピングカーを改造したような現代風の屋台の中を覗き込む。
だが、パンの具材や大きさが特別巨大という訳でもなく、何か奇妙な食材が放り込まれている事もない。
麻生は店員がホットドックを作っている作業を見てなぜか肩を震わせている。
「うん、あんたどうしたの?」
麻生の異変に気付いたのか美琴が尋ねる。
「俺は他人の料理ならどんなに手際が悪くても味が不味くても、その手順や作り方に口を出すつもりはないがこれは酷すぎる。
良い食材を使っているのにもったいない。」
そう言うと麻生はキャンピングカーの裏手に回り込み裏口から中に入り込む。
店員は麻生が入ってきたことに驚いているがそんな事を気にせずに麻生は店員に言う。
「一度しか見せないからよく見ておけ。」
そこから麻生の調理が始まる。
一つ一つの食材に丁寧に味付けをしていき、かつその速度は素早い。
美琴はホットドックに何を真剣にしているのか、とツッコミかけたが麻生の表情があまりにも真剣なので言えずにいる。
一〇分くらいした後、美琴と自分と店員の三人が試食できる数のホットドックが完成する。
美琴と店員はそのホットドックを一口食べると信じられないような表情をする。
「うそ・・・ホットドックってこんなにおいしい食べ物なの。」
「ホットドックだけじゃない。
全ての料理にはちゃんと丁寧に味付けや下ごしらえをすればおいしくなる。」
店員はさっき麻生がホットドックの手順を必死に思い出しメモに書いている。
麻生も自分で作ったホットドックを食べてまぁまぁだな、と呟く。
美琴はお金を払おうとしたが店員は四〇〇〇以上のモノを見せて貰ったからお金はいらないと言った。
美琴は何か申し訳なさそうな顔をしたが麻生は気にせず事情を聞くために近くにあるベンチに座る。
「ふ〜ん、つまり海原って奴から離れればそれでよかったんだろ?
なら、その目標は達成できたんじゃないのか?」
大体の事情を聞いた麻生はそう美琴に質問する。
美琴は麻生の言葉を聞いてホットドックのマスタードが鼻
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