第34話
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プを踏んで前にかかる体重を軽減して直前の所で踏ん張る。
麻生は俺にタックルしてきたのは誰だ!?、と腰にまとわりつく人物を確認する。
その人物は結構本気でタックルしたのに麻生が転がらない事に驚いているようだ。
その人物とは御坂美琴である。
「お前、何をしているんだ?」
表情は穏やかだが明らかに怒っていますよ雰囲気を醸し出す麻生。
だが、美琴はその雰囲気に気づいていないのか小声で麻生に話しかける。
(お願いお願い話を合わせて!!)
「は?」
訳が分からないといった顔をする麻生だが、美琴はどこか遠くを睨みながら小さく拳を握った。
麻生も美琴の見ている視線を追うと少し離れた歩道に、さわやか系の男が突っ立っていた。
美琴はさわやか系の男を一瞬だけ見ると引きつったような笑顔を浮かべて言った。
「あっはっは!
ごめーん遅れちゃってーっ!
待った待った?
お詫びになんか奢ってあげるからそれで許してね?」
「は?」
響く大声、絶句する麻生、遠くで気まずそうに視線を逸らすさわやか系の男。
そして唐突にバン!、と常盤台中学の女子寮にあるたくさんの窓が一斉に開け放たれる。
その光景を見た美琴の引きつった笑顔が凍りつく。
窓際に寄っている女子生徒達がひそひそひそひそ、と何か小声で話し合い、その中にはツインテールの少女、白井黒子が何やらものすごい顔をして口をパクパクと動かしている。
そして窓の一つに最高責任者らしき大人の女性が顔を出して何かを言う。
小声なのと距離が遠いので聞き取れなかったが美琴と麻生の脳内には確かに壮絶な言葉が叩き込まれた。
「面白い、寮の眼前で逢引とは良い度胸だ御坂。」
麻生はまた面倒な出来事に巻き込まれた、と心で呟き美琴はさらに顔の筋肉が引きつる。
「あはははははーっ!うわーん!!」
そしてヤケクソ気味に笑いながら麻生の手を掴んでそのままものすごい速度で走りだした。
麻生は訳が分からない状態で引きずられていった。
その後、一時間くらい街を走り回った。
「おい、俺はいつまで走り続けないといけないんだ?」
「うるさい、黙って!
ちょっと黙って!
お願いだから少し気持ちの整理をさせて!」
美琴はさっきから頭をブンブンと横に振り続けている。
麻生は周りを見渡すと、どこかの路地裏にでも入った辺りだろうと考える。
四方を背の高いビルに囲まれ、一つだけ背の低い寮のようなものがある。
美琴は深呼吸をするとようやく落ち着いたらしい。
「ふー、ごめん、ちょっと取り乱したみたい。
色々説明するからどっか座れる場所に行きましょう。」
「ちょっと待て、説明という事はまだめんどくさい出来事は続くのか?」
「もうすぐ一〇時だからお店
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