第十話 依頼内容
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くる。
恐らく前者は想像以上の高額な報酬額によるモノ。後者はバタリアン緑地と呼ばれる場所に恐れを感じた者の声。
「細かいことは資料に記載されていますのでそちらをお読みください。準備期間は十日間となります。説明を聞いて、それでも参加を表明する方は十日後資料に書かれている指定場所に集合してください。それでは失礼します」
ヨハネスさんはそれだけ言うと部下らしき人達と共に颯爽と去っていった。
酒場内は未だ騒然としており、ある人は資料に目を向けながら眉間に皺を寄せて唸りながら考えている。またある人は周囲にいる美食屋達に手を組まないかと誘っている。
そしてあの美女はというと冷静に資料に目を通しながら優雅にワインを飲んでいた。絵になるねぇ。眼福、眼福。
そんな俺の様子にマスターは追加のエナメルビールを俺の前に置き話しかけきてくれた。
「今回の依頼はとびっきり危険だな。ライデンはどうすんだ。辞退するか、それとも誰かとチームを組むか、もしくは……」
「単独だろうねぇ。今までだってそうしてきたし」
そんな俺の答えにマスターはじっと俺を見つめている。
先程のやり取りのように惚れた?と聞くと
「茶化すな。ライデンの力量は何となくだが分かる。今回の象熊だって特殊な個体とはいえお前さんの敵じゃねぇだろうな。通常の象熊で捕獲レベル二十五。今回の依頼の個体でもそれから三から五程度上がるくらいだろう。だがな、バタリアン緑地って場所がヤバイんだ」
マスターの真剣な表情に俺も飲んでいたビールを置く。
バタリアン緑地。正直勉強不足な俺はそこがどんな場所かも分からない。
「いいか。よく聞け。あそこは元々IGOがビオトーブ候補にしていた地でもある。何故中止したかは分からねぇが、途中まで建設し研究もしていたらしい。その時の名残で独自の生態系になってやがんだ。IGOの研究施設にしかいないような動物や高温多湿な場所にしか生息しないはずの動物、極寒の地でしか生息しない動物だって居やがる。何よりヤバイのが数だ」
「数……。生き物がそんなにいるのか」
「あぁ。場所によっちゃあ見渡す限り……なんてこともあるらしい。しかも捕獲レベルアベレージは18から20って言われてるが、その情報もどうだろうな。ビオトーブを建設しようとした時の話だ。もう少し上がっているかもしれねぇ」
正直、今の俺ならその程度の捕獲レベルなら余裕だ。
ただし見渡す限りのなんて条件がなければの話だ。闇雲に倒せば良いってわけではない。体力配分など考えて行動しなければならなくなる。何より今回はライバルの美食屋だっている。時間配分も考える必要もあるだろう。しかもその後には象熊との戦闘も控えているし倒せたとしてもその一部を持って帰らなければいけない。一部と
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