第十話 依頼内容
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間、それでも疑問に思ったことをマスターに聞いてみる。
「なぁマスター。何で態々こんな形式になったわけ? 確かIGO側が無理を言ってこの形式にしたんでしょ」
「ん……まぁお前さんなら話しても良いか。簡単に言うと名のある美食屋や裏で活躍してる美食屋達がいないかどうかの確認だな。俺だけでも良いがIGO側と協力して顔を見て判断したほうがより正確だろ」
「そんなに名の通ってる美食屋に参加して欲しくないって珍しいな……やっぱり有望新人発掘のためか」
「まぁそのへんの具体的なことは俺からは言えねぇな。そういう約束だ」
「そう言ってる時点で認めているようなもんだと思うけど」
「……細けぇことは気にすんな」
「そう思うんだったら、せめてその冷や汗を何とかしてくれ」
苦し紛れにビールを呷りながらそっぽ向いてるが誤魔化し方が下手すぎるだろ。ビックリだぜ。俺もすでに何杯目かも分からないビールを飲み喉を潤す。
「まぁ納得は出来たかな。名のある美食屋が参加しちゃあ将来有望な奴が目立たなくなっちまうもんな。多分IGO所属以外で名の通ってる美食屋はすでに他で専属になってるか断られたかしたんだろう。だからこそ二十歳未満とかではなく、まだ見ぬ実力者を集わせるためにこういう条件にしたってことかな……この答えで合ってる?ヨハネスさん」
いつの間にか俺の背後に資料片手に佇んでいたヨハネスさんに視線をグラスから逸らさずに質問した。がしかし中々返答が返ってこないので不審に思い振り返るとそこには。
「ヒュ〜ヒュ〜ピュ〜」
両手を腰の後ろで組みながら口笛と吹いて必死に誤魔化そうとしている開発部長がそこにはいた。
「誤魔化し方、下手くそすぎるだろっ! しかもちゃんと口笛吹けてないし!」
サングラス越しからでも分かるほど目が右往左往している。しかも最後だけ口笛が吹けていたところも少し腹が立つ。俺が言うのも難だけど、アホすぎるっ!
「ま、まぁそんなことよりも皆さんに資料が回ったと思いますので簡単な説明をさせていただきます。詳しくはその資料に記載されているのでそちらをお読みください」
スルーかよ。いやまぁ答えられないことだとは思うけどもう少しマシな返答を期待していたのだが。俺は呆れつつも資料片手にヨハネスさんに目を向ける。
この酒場にいる殆どの人間が今彼に注目している。
仕切り直そうとしたのか、格好良くサングラスを中指で上げて整えている。
その姿は様にはなっているのだがさっき口笛を聴いた俺には無理があった。
「今回皆様に依頼したい仕事は討伐となります。生死は問いません。しかし討伐した証として体の一部を持って帰ってきていただきます。それもこの部位ならば絶対に生きてはいけないと思わせるほどの物
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