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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第二十一話 不安と恐怖と葛藤と…
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どうにも嫌な予感がする。昨日はあまり余裕がなかったためあまり頭が働かなかったが俺は重大なことを見逃しているんじゃないか。少し情報を整理したほうがいいな。

 ガルナ島は古代から月の光を蓄積し島全体が月のように美しく輝く島と言われている。そしてあの絶対氷結(アイスドシェル)を解除できる月の雫。通称ムーンドリップ。ベリア語の呪文で月の魔力を一つに収束することで、いかなる魔法をも解除する力を放つ魔法だ。つまりその島はデリオラの封印を唯一解除出来るといわれている月の雫(ムーンドリップ)を行うのに最も適した場所と言っても過言ではない。そういえば最近仕入れた情報でここ数年前に北の大陸の氷山に封印されていたデリオラが行方不明との情報も入ってきている。


――つまりデリオラの封印はすでに解かれようとしているということか


 俺は馬鹿か!何故こんな簡単なことに気がつかなかったんだ。そうなればガルナが悪魔の島と言われている原因も容易に想像できる。月の雫は月の魔力を使う。しかし月の魔力は人体にも悪影響を及ぼすと文献にも書いてあった。この影響で村の住人が悪魔のような姿になったのではないだろうか。だとすると……すでに月の雫が発動している可能性がかなり高い。自分の頭の回らなさに呆れてつつ溜め息一つ吐き出した。

「ふぅ……やれやれだな」 

 残りの酒を一気に呷り席を立つ。まるで気付けの一杯だな。

「ご苦労なこった。まさかルシアまで動くとはな」

「いろいろとあんだよ。それに敵が未知数である以上俺も行かないと危険だろうが」

「――随分と生ぬるいギルドになったもんだ。仲良しこよしの馴れ合いギルドじゃ外の連中から舐められるぞ」

「言ってろ」

 ギロリと僅かに殺気の篭った視線で睨みつけられたがいつものことなので軽く受け流しギルドから出る。さて、ガルナ島は孤島だからな。船でなければ行けないが悪魔の島として有名なだけあって誰も船を出してはくれないだろう。海賊か何かいれば脅して行けるんだがそう簡単には都合よく見つからないだろう。だとしたらDBで飛んでいくしかないか。

 諦めていたデリオラとの戦闘に不謹慎ながらも高揚しつつ、そんな自分が少し嫌になる。


 目的地は呪われし悪魔の島――さて、行くか。
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