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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第十八話 撃退と交流と天敵?
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出ていた。
……どういうつもりだ?俺は確かにマカロフにララバイの情報を教えたはずだ。なのに何故?いくら予想では魔力が足らず使えないとは言え危険すぎる。万が一のことも考えさすがに止めに入るべきか。
少し視線を逸らせばエルザ達もここに到着しており、止めに入ろうとしているが他のギルドマスターたちに止められていた。
何故?何か秘策でもあるのだろか。ブルーペガサスのマスターやクワトロケルベロスのマスターは余裕の表情を浮かべている。
何か策でもあるのだろう。そう思い俺も踏みとどまった。
「どうした?さぁ早く吹かんか」
「うっ……」
凄みを見せたマカロフと迷いの表情を浮かべている敵。追い込まれているのは確かにマカロフなはずなのに、場の空気はそれとは異なっていた。
敵の表情は何かを思い出すような、何かを悔いるような、様々な感情がごちゃまぜになった迷いの表情を浮かべている。
マカロフはそんな敵の心を全て見透かしているかのように相手を諭すように言葉を紡ぎだした。
「何も変わらんよ。弱い人間はいつまでたっても弱いまま。だが弱さが悪いことではない。一人じゃ不安だからギルドがあり、そして仲間がいる」
その場にいる全員がマカロフの言葉に聞き入るように静寂としていた。一つ一つの言葉に何か不思議な力でもあるかのように、朴訥であり、情熱的であり、叙情的だ。敵である男すらも魅了しているほどに。
「強く生きる為に寄り添いあって生きていく。その生きていく過程で多くの壁にもぶつかるし、時には遠回りもしてしまうかもしれん」
俺達より何倍も長く生きてきた年長者の言葉が心にするりと入り込んでくる。その言葉を聴いていると心が澄んでく感覚すら覚える。
「しかし明日を信じて踏み出せば、おのずと力は沸いてくる。強く生きようと笑っていける」
それは言霊という魔力を使わない魔法のように。
「そんな笛に頼らなくても、な」
――相手の悪しき心を打ち砕いた。
「…………参り、ました」
――あぁ、やはり俺が所属しているギルドマスターは凄い
力による制圧ではなく、言葉による説得。俺では到底不可能な解決法。あの境地に至るまでにどれほどの壁を乗り越えてきたのだろうか。
敵対した者にも暖かな光を与え、正しき道を歩ませることができる方法。暴力では導けない想いの強さを今俺はマカロフから感じることができた。
「……さすが、だな」
周囲に聞えないよう呟き、改めてマカロフの偉大さを知ることが、いや再確認することができた。これがギルドマスター、これが聖十大魔道の力。ただ腕っ節による強さだけではない心の強さ。俺が彼から一番に学ぶべきことはこういう所なのかもしれない。
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