第七十八話
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である。…弟子と言うよりは小間使いのようではあったが…
「………師父が人の話を聞いているっ!?」
驚きを隠せないで居たのは羅濠教主の弟子にして拳法の達人である香港陸家出身の陸鷹化である。
彼は日ごろ翠蓮の暴力と言う名の教授に耐え、食の準備をし、我侭の些事をまわされる、苦労の人でもあった。
それ故に目の前の光景が嘘のように感じられたのは仕方の無い事だろう。
「それにしても…まつろわぬ神に神祖、それとカンピオーネが7人…近づきたくないなぁ…でも顔を出さないと後で師父の折檻が3倍になりそうだし…くっ…行くしかないか…」
と、諦めの境地で山を駆け下りるのだった。
エリカは草薙護堂を迎えに行く為にリリアナを伴って先ほど孫悟空が出てきた洞穴へと向かった。
本来ならば外来の魔術師は入れぬ所なのだが、アーシェラと陸鷹化が警備を無効化していたために簡単に中には入れてしまった。
洞窟を抜けるとそこは幽世の一角。護堂はここで翠蓮と一勝負し、不利を悟り、別の幽世へと逃げたのだが、この幽世、簡単に出る事は出来ない世界であったために護堂はここで足止めされていたのだ。
出口には先ほどまで孫悟空が半分封印の解けた状態で待機し、自身の封印を解いてくれる巫女を連れて逃げた護堂を捕まえんとしていた。
それも孫悟空が倒された事で無くなる。
さて、そんな訳であるが、通信機器の効かない幽世では連絡手段が難しい。そこは護堂に同行しているイギリスのプリンセスアリスの感応能力で先ほどは渡りをつけて貰ったのだが、逆から連絡となると難しい。
しかし、もしも自分達も幽世へとおもむけば相手に微かでも伝わるかもしれないとこの洞窟内におもむいたのだった。
「あら、護堂。遅いご登場ね。こちらは大変だったのよ?」
「無理を言うなよ、本来であれば強風の化身で飛んでいく手筈だっただろう」
と、合流した護堂、祐理、ひかり、そしてプリンセスアリスの4人に向かってエリカが言い放った。
「何か有ったのですか?」
祐理がエリカの剣幕に何とか逆らい尋ねた。
「何か有ったではなく、既に終わったわ」
「斉天大聖はどうなったんだ?」
「護堂、この地には今まつろわぬアテナが来ていたのよ?彼女は蛇の女神でもあるの。忘れちゃったの?」
「いや、それは覚えているが、それが関係が有るのか?」
「大有りよっ!孫悟空の封印は解かれたわ」
「大変じゃないかっ!」
「安心なさい。既に羅濠教主の手で倒されてしまったわ」
だから迎えに来れたのだとエリカは言う。
「本当なのか?」
と、護堂はリリアナに問う。
「はい。私は直接その場を見ていませんが、虚空に消えた羅濠教主
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