第七十八話
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ぎ澄まされた結果だろう。
そんな翠蓮の拳は朽ちぬはずの鋼の体を持つ孫悟空の体を砕き、刻み、粉々にすり潰す。
そして死闘の末に翠蓮は孫悟空を打ち破ったのだった。
孫悟空が完全に消失したのを確認したからアオは結界を解き、時間を繋げる。
現れた翠蓮は満身創痍でボロボロだったが、五体満足で、しばらく休めば元通りになるだろう。
「少々疲れました…弟よ、どこかくつろげる場所は有りませんか?」
と護堂、アオ、孫悟空と3戦目だったこともあり、流石に翠蓮も音を上げた。
「今日泊まるはずの宿が有るから、そこに一部屋取ってもらおう。えと、甘粕さんへの連絡は母さんがしてくれる?」
「分かったわ」
と、了承したユカリは携帯を取り出して甘粕へとコールした。
「さて、エリカさん」
と、アオはエリカへと向きを変えた。
「何かしら。またわたしに暗示を掛けるのかしら?」
今度はそう簡単にやられはしないと呪力を高めたエリカ。
「まぁ、それでも良いのだけれど、また切欠があればあなたなら破るかもしれないね。…本当はもっとえげつない方法もあるのだけれど、流石に良心がね…」
エリカほどの魔術師に暗示を掛け続けるというのは中々難しいと言う物だ。二回目ともなればエリカも何かしらの対策をするだろう。…現にエリカは『写本』の魔術の応用で一時的に記憶力の増強をはかっていた。
「そ…そう。…そうしてくれると嬉しいわ」
「けど、俺たちの考えは伝わっているよね?」
「……もちろんよ。裏社会の荒事をあなた達に持っていかない。カンピオーネは世界に7人…いえ、ヴォバン侯爵が倒されたから6人ね。6人しか存在しないと言う事よね?」
「ありがとう。エリカさん」
「それじゃ、わたしは失礼させていただくわ。護堂を迎えに行かなければならなくなっちゃったしね」
『強風』の化身で呼び寄せる方法は使えなくなってしまった。だったら直に迎えに行かなければ成らない。
エリカは頭を下げるとその場を辞した。
「母さん、甘粕さんに連絡は?」
「今もう一部屋予約を入れてもらったところよ。大丈夫そうだから先に行きましょう。この子も休ませないとだし」
「露天風呂があるところだっけ?」
「みたいだよ、なのは」
「それは楽しみですね」
「そうだね、シリカちゃん」
「では、案内なさい弟よ」
「はいはい」
「アテナ姉さんも行くよ」
「む、待て、そんなに急がなくても宿は逃げぬぞ、ソラよ」
とそんな感じでアオ達は賑やかに山を降り、宿屋へと向かった。
その光景を遠くから見ていた中華系の男児が一人あっけに取られている。
翠蓮の言いつけでリリアナを足止めしていた彼女の弟子
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